Yahoo!ニュース

オリンピック目指す石田吉平も活躍。明治大学、東日本大学セブンズ3連覇。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
左から田中監督、山村、石田(筆者撮影)。

 昨季、大学選手権で22大会ぶり13回目の優勝を果たした明治大学ラグビー部は、4月14日、第20回東日本大学セブンズで3連覇を達成(東京・秩父宮ラグビー場)。就任3年目の田中澄憲監督、大会キャプテンだった山村知也副キャプテン、チーム選定のMVPとなった1年生の石田吉平が会見した。

 1回戦勝利チームによるチャンピオンシップトーナメントでは、大学選手権9連覇の経験がある帝京大学と対戦して後半ロスタイムに12-10と逆転勝利。決勝では東海大学に25-5と貫録勝ちした。

 石田は常翔学園高校時代、男子7人制日本代表としてセブンズワールドシリーズに出場。この日も鋭いフットワークを活かしてトライを奪うなど躍動。今後は肩の手術のためチームを離脱予定だが、復帰後の活躍にも期待が集まる。2020年の東京オリンピックでは、7人制ラグビーが正式種目となっている。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

田中

「3連覇という結果は素直に嬉しく思います。ひとりひとりの勝ちへの姿勢が、特に準決勝、決勝で見られたのがすごく嬉しかったです。今年のスローガンは『真価 Hungry Detail Action』。特に最後まで諦めないハングリーな姿勢が見られた。幸先のいいスタートが切れたと思います」

山村

「セブンズでそこまで準備期間はなかったのですが、スローガン遂行できたからこの結果になった。今年、このスローガンを遂行できるように過ごしていきたいです」

石田

「憧れのジャージィで試合ができて嬉しかったです。そこで自分のプレーを出そうとしていました。これからも頑張っていきたいです」

――準決勝はタフでした。

山村

「きつかったのですけど、絶対に簡単な試合内容にはならないと思っていて、きつくてもハングリーになって走り切った方が勝てると思っていました。きつくてもひとりひとりが走れたことであの結果になったと思っています」

――帝京大戦の最後のアタック。

山村

「そうですね。決していいアタックとは言えなかったですけど、ひとりひとりがサポートに入って、ブレイクダウンをキル(相手をはがすプレー)して…という細かいところにこだわれたので、あの結果になったと思います」

――準備期間、および大会中の驚きは。

田中

「準備期間は…昨日(だけ)かな。準備期間が少ないなか選手が頑張ってくれたと思います。もともと期待をしていましたけど、ここにいる石田吉平は高校時代からセブンズ日本代表に入っていましたから、予想はできましたけど、彼のプレーは見ていてもわくわくするようなものだったと思います。4年生もしっかりと若いチームを引っ張ってくれましたし、7人制だけではなく、チームの文化というか、結果を出しながら中身の質も積みあがっていると思います」

――セブンズの経験値は石田選手も高い。

石田

「(チームメイトの)個人のスキルはトップレベルなので何も言うことはなしでしたが、セブンズのルールや戦術のところでわかるところは話しました。でも、(個人的に)課題がいっぱいあって、そこは修正できていない。修正できたらと思います」

――ワールドシリーズの経験の意味。課題とは。

石田

「ワールドシリーズで世界のプレーヤーと戦って、自分の立ち位置がわかりました。ディフェンスが課題。きょうもそこで足を引っ張ってしまった。修正していきたいと思います」

――石田選手のベストポジションはどこか。

石田

「15人制ではまだわからない…。まだ探っている最中です」

山村

「(石田選手は)ハンドリングスキルも高いですし、どこでもできそうな気はします。僕も高校時代のプレーを動画で見てすごいと思っていましたけど、それを上回っていた。頼りになりました」

――スローガンへの思いは。

山村

「一番大きなテーマは『真価』。去年、優勝したんですけど、まだまだ私生活など本質的な部分から価値を求められると思ったので『真価』にしました。サブタイトルは『Hungry Detail Action』。『Hungry』は優勝しても奢らないで貪欲にプレーすること(を意味する)。『Detail』は細かいことまでもっとこだわれるということで。『Action』はこれらを行動に移すことです」

――セブンズ3連覇中。この大会が秋の15人制に繋がる感覚は。

田中

「1年目は、その前の年まで勝つことに対する貪欲さがないチームでしたので、セブンズにおいても勝つことが大切だった。ここで勝てて、自分たちがやれるという意識、気づきがあって、シーズン最後は(大学選手権決勝で)帝京大学に負けましたけど、本当の意味で日本一を獲ることへ本気になった。

 2年目はある程度の自信を持って臨めた。セブンズに対しても、ある程度の余裕を持ちながら迎え、タイトルを(獲れた)。春季大会も獲って、日本一になれた。

 今回は3連覇。伊藤(宏明)コーチに任せていたので、勝ったことでスタッフもいい経験を積めたと思っています。春季大会でもいい競争をして、秋のシーズンへひとりひとりが力をつけてゆくのが大事です」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事