日本代表入り期待される早稲田大学・齋藤直人、「やれることはやりたい」。【ラグビー旬な一問一答】

(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 このほど早稲田大学ラグビー部のキャプテンに就任した齋藤直人は、今秋開幕のワールドカップ日本大会での日本代表入りに向け、「やれることはやりたい」。控えめなようにも、意欲をにじませているようにも映る。

 公式で「身長165センチ、体重75キロ」のスクラムハーフ。豊富なスタミナとパスやキックの距離と精度、球を拾い上げてから次のプレーに移るまでのスピード、防御力に定評がある。歴代最多となる通算15回の大学日本一に輝いた早稲田大学では、1年時からレギュラーとして活躍。チームにとって2008年度以来となるチャンピオンを目指す。

 元日本代表コーチングコーディネーターでサントリー前監督の沢木敬介は、昨年に齋藤がサントリーへ訪れて練習した際の印象をこう語る。

「スクラムハーフとしての運動量はある。速いテンポを作れる。まだまだ学ばなきゃいけないところもありますが、間違いなくいい選手ではあります」

 本人の心境は。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――オフの間は、ウェイトトレーニングを重ねていたようです。

「結構、しました。チーム(の練習)も身体作りがメイン。シーズン中よりは2キロ、増えた。その分、いったんフィットネス(持久力)は落ちちゃったんですけど、それもちょっとずつは取り戻せているかと思います」

 齋藤は昨春、ナショナル・デベロップ・メントスコッド(NDS)という日本代表の強化機関に帯同。ニュージーランド遠征でスーパーラグビーのクラブの予備軍と激突している。

 現地時間4月20日にあったブルーズAとの試合では、後半6分に途中出場するや続く9分には味方のトライをアシスト。ノーサイド直前には勝ち越しトライと直後のゴールキックを決め、34―27で勝利した。

 そして今年2月、日本代表候補の集まるラグビーワールドカップトレーニングスコッドキャンプの見学のため東京・町田へ出向いていた。

――トレーニングスコッドのキャンプ、見学に行かれたようで。

「堀川(隆延コーチ=NDSでヘッドコーチを務めた)さんと連絡を取らせてもらっていて、実際に行く日の前日に『明日、来られないの』と。言われた日の午後は、自分も午後の練習もなかったので行かせてもらいました。(それ以前から)行きたかったのですが、その前は色々と予定が重なったり、非公開の日もあったりで行けませんでした」

――印象は。

「バチバチやっている感じじゃなく、切り取った練習を繰り返しやっていて。いまはそういう時期だと聞いていましたけど、代表クラスの選手でもこういう基本的なことをやるんだな、改めてそういうところが大事なんだなと思いました」

――合流していたジェイミー・ジョセフヘッドコーチと話はできましたか。

「話はしなかったです。(アタックコーチの)トニー・ブラウンさんには挨拶させてもらいました」

 3月8~16日、若手予備軍であるジュニア・ジャパンの一員としてフィジー・スバでパシフィックチャレンジに参加。サモアA、フィジー・ウォリアーズ、トンガAと順に戦う。

――ジュニア・ジャパンへの参加は。

「相良(南海夫、早大監督)さんから話をいただいて。自分も経験を積みたいですし、自分もアピールしたいと思って参加しました。(パシフィックチャレンジには)過去2回参加させてもらっている。同じ大会に出ることで、自分の成長を感じられるかなと」

――「成長」とは。

「以前は大きい相手に対し、最初から引いてしまった部分はあったと思うのですが、それ(初参加)から2年が経っている。メンタル的な部分は強くなっているんじゃないかなと自分では思う。逆に経験している分、(チームに)U20(20歳以下日本代表の世代)の選手も多いなか、そういう(心構えの)部分で(周りを)リードしたいなと」

――スーパーラグビークラスの選手と試合はしている。気後れはない。

「と、思いたいです」

――最後に。2019年のワールドカップ日本大会。出場を狙いますか。

「わかんないっす。でも、やれることはやりたいです」

 取材のなかでは、町田へ出向いた際に日本代表キャプテンのリーチ マイケルとも言葉を交わしたとする齋藤。練習に参加したサントリーとリーチの所属する東芝がいずれも東京・府中のチームであることから「今度、府中会においで」と言われたようだ。

 日本代表のセレクションは、今回の言葉通りジョセフの専権事項。いち選手ができることは、「やれることをやる」だけだ。齋藤があえて大きなことを言わないのは、その原理を認識しているからかもしれない。複数の関係者が「齋藤待望論」を強く唱えるなか、本人は淡々と成長ぶりを「アピール」する。