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物語は「やっと始まった」。日本代表・松島幸太朗、対イタリア代表戦連勝へ。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
持ち前のばねを活かし、飛び、走る。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表は6月16日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸でイタリア代表との2連戦2試合目をおこなう。

 

 9日に大分・大分銀行ドームであった1戦目を34―17で制していたが、フルバックに入る松島幸太朗は「連勝は、チームのターニングポイントになる」と気を引き締める。東京合宿中の12日、心境を明かした。

 この日は防御主体の練習で、松島は相手側が蹴り返してきたボールを捕球するや鋭いカウンターアタックを披露。状態が上向きであることをアピールしていた。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――調子、いいように映ります。

「先週、2~3週間ぶりに(試合を)して、イメージができてきた。だんだん、よくなってきています」

――例えば、防御の穴が見えやすくなってきているとか。

「そうですね」

 日本代表は、スーパーラグビーに参戦するサンウルブズと戦術、スタッフ、選手を共有。国際舞台での試合経験で、有力株を鍛えている。

 6月の代表戦期間に向け、サンウルブズのうち日本代表に選出される選手の多くは5月中旬にチームを離脱。休息ののちに5月下旬からの日本代表合宿へ参加した。前年6月の代表戦時より約1週間長い準備期間を経て、9日のイタリア代表戦で快勝した。松島は続ける。

――イタリア代表はどんな印象でしたか。

「勢いがある時はすごくありますが、スイッチの切れた時は、ジャパンの一番のチャンスになる。その時に(得点を)取れた時が大きくて、逆にイタリア代表に勢いがあった時にポンポンと取られることがなかった。それがよかった」

――苦しい場面を耐え抜いた結果だったのですね。確かに、組織防御が機能する時間帯が長かった。

「プレッシャーはあったのですけど、ラインブレイクされても皆、戻っていた。意識は高かった」

 サンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーへ日本から参戦)の指揮官も兼ねるジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、「彼はサンウルブズで試練を乗り越えてきた」と話す。

 4月14日のブルーズ戦では後半10分、松島が失点に繋がるタックルエラーを犯したことがあった。失点を引き起こした一因は松島の前方の防御網の崩壊もあったのだが、指揮官の決断は2分後の松島の交代だった。

 当時は「代えられたということをしっかり話して、どこが悪かったのかというのを話して、自分の成長に繋げたいなと思います」とした松島はいま、当時と変わらず日本代表不動のフルバックへの道をまい進している。

――対イタリア代表戦2連勝へ。

「イタリア代表は負けたことによって、次の試合でプレッシャーをかけてくる。自分の国からもプレッシャーを受けて試合に臨んでくる可能性が高いと思う。自分たちはスマートにやって、スペースを見つけてアタックする。連勝できれば、さらに自信をつけて、いいテストマッチ期間にできる。連勝は、チームのターニングポイントになると思います」

――最後に、2019年のワールドカップ日本大会に向けて。

「先週、勝ったことで、テストシリーズ(代表戦)では自分たちのやってきたことに自信をつけられた。やっと始まったという感じはあります。ベースを作ってきたのがだんだん固まってきて、1歩ずつ前に出てきている」

 2017年6月のテストシリーズは1勝2敗に終わり、今季のサンウルブズでも2連勝の前に開幕9連敗を喫するなど辛苦を味わっている。この季節に成功体験を収めることで、大勝負に向けた挑戦が「やっと始まった」。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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