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自分に似合うラグビーを。ジェイク・ホワイトが提唱。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップを制したころのホワイト(右)。左はブライアン・ハバナ。(写真:ロイター/アフロ)

 南アフリカ代表を率いて2007年のワールドカップフランス大会で優勝したジェイク・ホワイトは、現在、日本のトヨタ自動車を率いて2シーズン目を迎えている。

 前年は就任早々に新人だった姫野和樹をキャプテンに抜擢。同選手が日本代表入りを果たす傍ら、ホワイトも中位に甘んじていた名門を7年ぶりのトップリーグ4強に導いた。

 国際舞台で成功を収めた指導者とあって、提言や談話を求められることが多い。6月2日も即席の単独取材に応じ、ナショナルチーム強化に関する私見を明かす。

 この日は東京・日野自動車グラウンドで、今季からトップリーグに昇格した日野と練習試合を実施している。前半は0―14とビハインドを背負うも、後半から昨季の主力格を出して38―21と逆転勝利を決めていた。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――きょうはいかがでしたか。

「しばらくぶりのゲームでした。日野さんは先週プレーしたと伺っています(ヤマハと練習試合をおこなっている)。こちら初めてで、向こうは数回目の試合。かなりタフになるだろうと思っていました。きょうは、わざと若手でスタートさせました。メインの人がいいスタートをしてその後に若手へスイッチしても、『先輩はやるな』と思われてしまうだけです」

――結局、後半の選手が活躍していました。

「いいプレーでしたね。今回は、アタックの向上が見たかった。自動車は2年目。優勝にはトライを取らなくてはいけない、ディフェンスだけでは勝てないことがわかっていたので」

――5月8日付の日本経済新聞で「W杯(筆者注・ワールドカップ)で勝つにはコーチがどの国の選手を教えているかを理解し、選手の力を最大限に引き出すことが大事になる」と発言されていました。

「ジャパンであれば、例えばアルゼンチンのようなスタイルのラグビーはできません。日本には、他では見られない日本のスタイルがある。もちろんほかの要素を組み合わせなくてはならない部分もあるでしょうが、日本のスタイルにXファクターの要素を組み合わせる(という考えが妥当)。

 アルゼンチンはスクラムとピック&ゴーのチームでしたが、スーパーラグビーに参戦したことでボールを大きく動かす、トライの取れるラグビーを提示しています。日本のよさは、スキルとクイックランです。日本のスタイルに、Xファクターの要素を組み合わせる」

 ホワイト自身も、南アフリカ代表時代はロングキックと激しい防御を主体としたスタイルを徹底。力自慢の多い国柄を活かしていた。黄金期にフォワードが強かったと見られるトヨタ自動車でも同種の戦法を活かし、今季は日本代表経験のあるセンターのマレ・サウを加入させるなどして攻撃に厚みをもたらそうとしている。

 そこにいる人々に似合うスタイルを打ち出し、磨きをかける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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