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オーストラリア代表カートリー・ビール、日本代表撃破に繋がるハイライトを語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真中央がビール。ワールドカップには2大会連続出場中。(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 ラグビーワールドカップ日本大会開幕まで、あと2年。

 11月4日、大会決勝戦がおこなわれる神奈川・日産スタジアムで優勝経験2回のオーストラリア代表が日本代表とテストマッチ(国際真剣勝負)を実施。63―30で勝利した。

 ジョン・プラムツリー新ディフェンスコーチを招へいした日本代表に対し、効果的な攻撃を繰り出した1人がカートリー・ビールだ。

 バックスの複数ポジションをこなす身長184センチ、体重92キロの28歳は、この日、最後尾のフルバックでプレーする。ゲーム副キャプテンも務めた。

 前半32分、敵陣10メートル線付近右のラインアウトから味方フォワードが突進を重ねる。負けずに飛び出そうとする日本代表の防御の裏へ、ビールが鋭角に駆け込む。タックラーを引きよせながら、左大外に立っていたアウトサイドセンターのテヴィタ・クリンドラニのフィニッシュを促す(28―3)。

 直前には味方のキックパスを受け取ったウイングの野口竜司をタッチラインの外へ担ぎ出すなど、この日まで通算68キャップ(テストマッチ出場数)取得に至る実力を披露した。

 試合後の取材エリアに登場すると、日本協会の通訳を介して試合の実感、日本代表への敬意などを明かす。平易な口ぶりに、かえって彼我の差がにじむようだ。

 以下、共同取材エリアでの一問一答の一部(質問はすべて当方、編集箇所あり)。

――日本代表の防御の印象、そして、それをどう攻略しようとしたかについて伺います。

「準備のなか、日本代表は年々、成長しているチームだと念頭に置いていました。その武器のひとつはディフェンスで、我々をプレッシャーにさらす。我々がやりたいラグビーをさせないようなディフェンスを持っている。そう、思いながら準備していた。その準備がうまくいったのですが、我々は日本代表のディフェンスをリスペクトしていますし、危険なディフェンスだったと思います」

――どんな準備を。

「どの練習でもフォーカスしたのは、自分たちのやることを確かめること。日本代表はいろんなところに脅威がある。ボールスキルに長けた選手も多いですし、(フルバックに入った)松島幸太朗選手は危険な選手です。その対策をしました。ただ、やっていたことはノーマルなセッションです。自分たちのシステムを確認し、それを少しずつ相手に合わせていくということでした」

――クインドラニ選手へのアシスト、振り返ってください。

「あの場面、自分に課されていた、ディフェンスへの宿題をきちんとやっただけ。ジャパンのラインスピードは速かったし、プレッシャーもあったなか、あそこはチャンスだと思いました。スペースを見て、突いてトライに繋げられました」

――野口をタッチラインの外へ出した。

「そこも全力でやっていました。彼は速かった。しっかりと、掴んで外に出そうとしました」

 日本代表の「脅威」のありかを言語化しながら、対策については「やっていたことはノーマルなセッションです。自分たちのシステムを確認し、それを少しずつ相手に合わせていく」。防御を切り裂いた件のアシスト場面については、「スペースを見て、突いてトライに繋げられました」とのことだ。

 万事に通じる局面打破のメソッドの紹介にも映れば、自分たちの力を発揮すれば壁は越えられるという自負にも捉えられる。

 日本代表はこの先、フランス遠征に出発。19日にトンガ代表戦、26日にフランス代表戦をおこなう。防御の高質化や課題の抽出化、何より勝利が求められる(いずれも日本時間)。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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