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日本代表が本番に向け「やらなきゃいけないこと」は? リーチ マイケル語る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ラン、タックル、サポートと八面六臂。(写真:つのだよしお/アフロ)

 ラグビーの日本代表候補が集うナショナルデベロップメントスコッド(NDS)のキャンプが9月15日から2日間あり、16日の体力測定後にキャプテン経験者のリーチ マイケルが、2019年のワールドカップ日本大会までのロードマップを明かした。

 2016年秋に始動したジェイミー・ジョセフヘッドコーチ率いる日本代表は、国際リーグのスーパーラグビー(2~7月)へ出たサンウルブズと連携を図りながらも、今年6月のツアーでは主力を欠いたアイルランド代表に2連敗。11月にはワールドカップ優勝1回のオーストラリア代表、欧州6強の一角であるフランス代表などとぶつかるなか、さらなる強化が求められている。

 リーチは、歴史的3勝を挙げた2015年のワールドカップイングランド大会でキャプテンを務めた28歳。国内では札幌山の手高校、東海大学を経て現在は東芝に在籍。スーパーラグビーでは今季まで3シーズン、ニュージーランドのチーフスで活躍してきた。

 今回のキャンプのレビューからも、メッセージを整理して伝えるスキルが伺える。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今回のキャンプを振り返って。

「サンウルブズと日本代表の、今後の2019年のワールドカップまでの道が明確になりました。今月から11月まで何日練習ができて、各テストマッチで何をしていくか…と。11月は上位のチームとやれるチャンス。モチベーション、やる意味についての話がありました」

――11月のツアーに向けては。

「以後3週間でどうレベルアップするかが明確になった。S&Cコーチが1人ひとりにフィードバックを送って、またヨーヨーテスト(この日におこなわれた持久力テスト)がある、と」

――今春のツアーの反省などは出たのか。

「過去2年間の反省はたくさん出た。サンウルブズで(出場時間を)コントロールした選手、しない選手によってのコンディショニングについて、ジェイミーの方でも反省があったと。選手にとってもっとやりやすい環境になります」

――6月のツアー終了時、リーチ選手は「トップスタンダードが何か。それを作りたい」と話していました。

「僕はいまキャプテンという立場じゃないし、チーム(11月のメンバー)も決まっていない。だから、それをどうやって作っていくのかは考え中です。ただ、ジェイミーと『作っていきましょう』と喋りはしました。2015年にできたことと、いまできていること、2019年の可能性、それを選手たちで想像して、(トップスタンダードを)選手たちが作っていく。それは楽しみです」

――2019年に向け、どうなっていきたいか。

「間違いなく、フィットネスは上げないといけない。あとは、ゲームプランをやりきる。勝ちたいというメンタリティを感じる。この3つは、大事。一番やらなくてはいけないのは、ハードワーク。フィットネスを上げて、やるだけ」

――物足りなさを感じていたのか。

「それは、ジェイミーも感じていたと思います。サンウルブズがあるので、そこをどうコントロールしていくか…。今後、トップリーグ後に休む選手と休まない選手が分かれるなか、ちゃんとしたプランを立てて…」

 2015年まで4年間続いたエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ体制では、相手には走り勝つフィットネス(筋持久力)と規律への意識などが持ち味とされた。「2015年にできたことと、いまできていること、2019年の可能性」の精査の結果は、11月のゲームでどう現れるか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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