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パナソニック&日本代表&サンウルブズの福岡堅樹。開幕トライ発進振り返る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
今年6月にも日本代表としてプレー。(写真:中西祐介/アフロスポーツ)

 日本最高峰のラグビートップリーグで一昨季まで3連覇中だったパナソニックは、8月19日、クボタとの第1節で45-21と勝利(東京・秩父宮ラグビー場)。日本代表ウイングの福岡堅樹は、後半14分に今季初トライを記録した。

 相手キックオフからのボールを捕球して自陣から展開するなか、鋭いランで防御を引き付けたディグビ・イオアネのそばにいた笹倉康誉が大きく突破。並走した福岡がラストパスを受けると、追いすがるタックラーを振り切り約30メートルを独走した。

 エディー・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチに「チーターより速い」と評される加速力が持ち味の福岡は、筑波大学時代から国際舞台で活躍。通算23キャップ(国際真剣勝負への出場数)を誇り、今年2月から7月は南半球主体のプロリーグ、スーパーラグビーへ日本のサンウルブズの一員として挑戦した。

パナソニック加入初年度の昨季はトップリーグで10トライをマーク。年中ほぼフル回転が予想されるなか、心境を明かす。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――開幕節のトライ。持ち味のスピードで駆け抜けた形でした。

「チャチャさん(笹倉の愛称)が裏へ出てくれたので、あとは走るコースをキープしながらついていこう、と。声で呼んで、パスをもらえるようには意識していました」

――起点のパスを放った元オーストラリア代表、ディグビ・イオアネ選手について伺えますか。

「自分で仕掛けてスペースを作り出す動きは、僕も参考にしなきゃいけない。そんなに穴がないと思われるところでも彼が動くことでスペースができる」

――今季の目標は。

「去年は最初の方はトライが取れていなかった。今年はしっかりとトライを取れるようにしたいと思いますし、きょうはディフェンスで何本か抜かれているシーンがありましたが、それを修正して、チームに信頼してボールを預けてもらえるような選手になりたいです」

――トライ王などのタイトルへの意欲は。

「いや、それはやっていく結果についてくるものなので」

――11月には日本代表ツアーがあります。それまでの約2か月半。どう戦いたいですか。

「(パナソニックで試合に)出してもらえるだけ出たいと思いますし、代表選手としてプレーの基準を落とさないようにやっていきたい。いまの時点では、休むことは考えていません。(スーパーラグビーの期間中も)出ていたなかで2週間なり3週間、休ませてもらっていたこともある。その意味では、気持ち的なリフレッシュもできていた。それに、まだ若いのでそんなことも言っていられないなと」

 7人制代表としての活躍が期待される2020年のオリンピック東京大会後は、かねて目標だった医師への道へ進む見通し。限られた選手生活を駆け抜ける。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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