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日本代表・田村優、キヤノン移籍後初の実戦に堂々。「フレッシュにするチャンス」【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
サンウルブズでもゲームリーダーとして躍動。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表の田村優が、8月5日、新天地となるキヤノンで初の実戦に挑んだ。

 日本のサンウルブズの一員として臨んだ国際リーグのスーパーラグビーのシーズンを終えて、約3週間。キヤノンへの合流から2週間目となるこの日、本拠地である東京・キヤノンスポーツパークでリコーとの練習試合に後半10分から登場した。大声での連携や鋭いハイパントなどを披露し、36-21で勝利した。

 過去6シーズン社員選手として在籍したNECを、昨季限りで退団。今季から、キヤノンへプロとして加入する。28歳の司令塔は、気持ちを新たに国内のトップリーグを見据える。

 以下、試合後の単独取材時の一問一答(編集箇所あり)。

――移籍後初の実戦。いかがでしたか。

「久しぶりの試合で楽しかったし、皆も自信を持ってやっていたのがよかったと思います」

――田村さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、プレー中のコミュニケーションの量が多いですね。

「そうですね。僕のやりたいように動いてもらいたいこともあって、皆に声をかけて…。プレーで信頼を掴んでいかないと、というところもあるので。ヤマハの週は、準備が全然だめだったことを皆にはっきり伝えました(北海道合宿中だった7月26日、7-66で大敗)。そういうところは、遠慮するつもりはないです」

――田村さんが入るスタンドオフのポジションは、ゲームプランの理解やサインプレーの把握に時間がかかりそう。その点は、問題はなさそうですか。

「僕のやりたいラグビーとキヤノンのやりたいラグビーの大枠は似ている。僕が来て『もっとこうしたい』と言って変えてもらった部分もありますし、皆に合わせてもらっているような状態です」

――グラント・バッシュフォード新ヘッドコーチは、意見を吸い上げてくれているのですね。

「そうですね。『お前はどうしたいんだ』と聞いてきてくれています。…開幕まであと、2週間ある。ここからはサントリーに勝てるようなマインドにしていく。それだけですね」

――8月18日の初戦では、東京・秩父宮ラグビー場で昨季王者のサントリーとぶつかります。ここからは引き続き、国内外を行き来するシーズンに挑みます。試合出場やコンディショニングについて、どうコントロールしていきますか。

「うーん。まずはここでベストを出すことしか考えていないですね。フレッシュな気持ちでラグビーができるチャンスなので。コントロールというよりも、試合に出たいですし、そこでチームのためにいいパフォーマンスがしたい。ラグビーをフレッシュにしたいから移籍をしたので、結果を出したい」

 キヤノンのフルバックでキャプテン経験のある橋野皓介は、新加入の田村の動きに「コミュニケーション能力、周りを動かす力がある。あとはゲームの綾を知っていて、ここというところでいいプレーをしてくれる。そういう選手が入ってきてくれたのはプラスです」と舌を巻く。

 チームは前年度、16チーム中7位に終わった。競技への取り組む姿勢を「フレッシュにしたい」と意気込む代表スタンドオフが、上位争いをかき回すか。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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