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3年後は東京五輪。ダミアン・カラウナヘッドコーチが語る男子7人制日本代表。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
報道陣に囲まれる指揮官。終われば全員と握手。

 2020年のオリンピック東京大会の開幕まで、あと3年。2016年夏のリオデジャネイロ大会で4位入賞した男子7人制ラグビー日本代表は、大会後、ダミアン・カラウナ新ヘッドコーチのもと再始動した。

 リオデジャネイロ大会では初戦でニュージーランド代表を破る快挙を達成も、現体制下では当時のメンバーを招集できないなど諸問題に直面。2016-17シーズン終了時には、ワールドシリーズに常時参加できるコアチームからの降格を余儀なくされていた。

 7月24日から8月2日まで、候補選手を集めた男子セブンズ・デベロップメント・スコッド(SDS)キャンプが実施されている。25、27日の練習はオリンピックのウォーミングアップ場となる東京・アミノバイタルフィールドでおこなうなど、本番を見据えたシミュレーションを重ねている。

 以下、25日にアミノバイタルフィールドであった共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――本番まであと3年。

「とてもワクワクしています。オリンピック時と同じ場所で練習ができていて、それがいい機会になっています。男子の若い選手がこれを経験できるのは、重要なことだと思います」

――選手にはどんなことを伝えましたか。

「ラグビーにとっての3年間は長くない。早くスタートするのが大事。選手たちにとってはエキサイティングな機会で、成功して欲しい。同時に、若い世代の選手にいい影響を出せるように…。こういう話をしました」

――今回のSDSのメンバーには、経験豊富な選手と若手が入り混じっています。

「育成を兼ねています。いまは大学が試験期間中で、朝いられる選手が昼にいない、またはその逆といったこともあるのですが、1度でも参加し、セブンズの練習を経験することで、スコッドの層を深めてもらいたい」

――始動時はメンバー固定ができなかった。

「もちろんそれは残念だったと思っていますが、それが現実でもあります。いま我々は、大学や企業との関係性を深めることに尽力しています。企業や大学の働きは尊重しなければいけないですし、両者でオリンピックに向け全力を尽くしたい」

――これまでの試合を受け、チームの改善点は。

「いろいろな点がありますが、特に2つ。ブレイクダウンとラインアウトです。ターンオーバーをする、される唯一の機会だからです。ラインアウトはいままでよりも6インチ高くする努力をしていきます」

――今後はオーストラリアや山梨で合宿があります。

'''「オーストラリアのマッカイは、蒸し暑い。今後戦う香港、韓国、スリランカも蒸し暑いので、その想定をしています。またオーストラリアでは代表選手がミックスされたデベロップメントチームと試合をするのですが、彼らはストラクティブなラグビーをしている。アジアセブンズシリーズで強豪にあたる香港代表、韓国代表、スリランカ代表も同じような形です。オーストラリア合宿は、そちらの方への対策にもなると思います」''

 現在は、来年7月にあるラグビーワールドカップ・セブンズ2018(アメリカ・サンフランシスコ)の予選を兼ねたアジアラグビーセブンズシリーズ2017を見据えている。9月に香港(1、2日)、韓国(23、24日)、10月にスリランカ(14、15日)へ赴くにあたり、8月にはオーストラリア・マッカイ(12~19日)、山梨(24~30日)でSDSキャンプを組む。岩渕健輔・男女7人制代表総監督とともに、メダル獲得へのプランを構築する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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