Yahoo!ニュース

日本代表フルバック→ウイングの松島幸太朗、アイルランド代表のスタイル壊す?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
「外からオーガナイズするのが仕事」。細やかな情報伝達でシステムを動かす。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

ラグビー日本代表は6月17日、静岡・エコパスタジアムでアイルランド代表とテストマッチをおこなう。2016年以降はグラウンド最後尾のフルバックとしてプレーしてきた松島幸太朗はこの日、タッチライン際のウイングでプレーする。

2015年に歴史的3勝を挙げたワールドカップイングランド大会では、ウイングとして全4試合に先発した。もっともそれ以降は、自らフルバックでのプレーを希望。持ち前の走力やばねをグラウンド中央部で活かそうとしていた。

国際リーグのスーパーラグビーではオーストラリアのワラターズ、レベルズでプレーし、今季からは日本のサンウルブズに参戦。日本代表と似た戦術を採用する同チームにあって、ナショナルチームとの親和性を高めてきた。

久しぶりの異なるポジションでの働きを、松島はどう捉えるか。15日の実戦練習後、思いを明かした。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――アイルランド代表戦へ。

「僕たちは速いテンポでやる。相手はブレイクダウン(ボール争奪局面)やセットピースにプレッシャーをかけて優位に立ちたいと思っている。まずはそこの部分で優位に立ちたい。そこで優位に立てれば、自然といいラグビーができる」

――相手のバックスリー(ウイング、フルバックの総称)にはシモン・ジボ選手、キース・アールズ選手とキャリア豊富な選手が揃います。

「(相手が10日におこなった)アメリカ代表戦を見ても、両ウイングの選手が活躍している(アイルランド代表が55-19で勝利)。脅威だと感じています。相手のプレースタイルを壊していこう、というものがあります。キックをしたいようなら、裏へ蹴って相手を走らせる。逆に走りたかったら、こちらがキックを蹴ってしっかりとプレッシャーをかけていく…と」

――本来はフルバック志向が強かったと思いますが、今回はウイングでプレーします。

「エディー(・ジョーンズ前ヘッドコーチ体制下)ではウイングをやっていた。その経験を試合で活かせたらと思います。基本的に自由に動いてくれと言われているので、ウイングに留まらず、どんどんボールをもらいたいと思います」

チームは17日に続き、24日にもアイルランド代表と戦う(東京・味の素スタジアム)。アイルランド代表は、2019年にあるワールドカップ日本大会の予選プールで日本代表と同組。もっとも今回は日程上、主力を多く欠く。成功体験の醸成はマストか。

「相手のプレースタイルを壊していこう」との発言は、相手の陣形を見て穴を突こうという意志の表れか。チームはこの人の言葉通り、1つひとつの肉弾戦から素早くボールをリサイクルしたい。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事