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サンウルブズのヴィリー・ブリッツ、日本代表入りは2018年に?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
グラウンド外では心優しき好漢で鳴らすも、芝の上では激しい。(写真:アフロ)

国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦するサンウルブズにあって、ヴィリー・ブリッツが元気である。

身長193センチ、体重108キロの28歳は、強いパーマのかかった金髪を振り乱して肉弾戦に身体をねじ込む。スピードを生かした突破やスクラムでの押し込みにも定評があり、将来の日本代表入りも期待されている。

国籍を持たない海外出身選手が代表資格を得るには、同国居住3年以上がマスト。他国代表、それに準ずるチームでのプレー経験がないことも求められる。その規定をパスして日本代表になったマレ・サウやマイケル・ブロードハーストらは、2015年のワールドカップイングランド大会で歴史的な3勝を掴んだ。

2015年度から日本のNTTコムでプレーするブリッツも、その隊列に並ぶか。5月中旬に単独取材へ応じ、いまのチーム状況やナショナルチームへの思いについて語った。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今季のサンウルブズは選手やスタッフやプレースタイルの多くを日本代表と共有。1本の芯を通そうとしています。新加入のブリッツ選手から見て、ここまで(第12節終了時点)の戦い、特に強豪国のニュージーランド勢などと戦った4月のツアーの中身はどう映りますか。

「エキサイティングなラグビーができている。それぞれの仕事、ゲームプランに特化してやり続けた結果です。我々は本当によいコーチングスタッフに恵まれています。選手はフィールドでやり切るのみ、という状態になれています」

――チームはここまで1勝。さらに白星を積み重ねるには、何が必要ですか。前後半の終了間際に失点する場面からは、フィットネス(持久力)の課題が浮かびそうですが…。

「フィットネスは、ある。我々にはいいS&Cコーチ(元ハイランダーズのサイモン・ジョーンズ氏)もついていますから。ただ、後半になるにつれて意識のスイッチが切れてしまうところはあったかもしれません。80分間、いいプレー、正しい状況判断、すべき役割の遂行をし続けなければいけない。それが我々の得た学びだと思います」

――ナショナルチームについても伺います。サンウルブズと連携を取る日本代表は、2019年のワールドカップ日本大会では予選プールAに参加。ヨーロッパの強豪であるアイルランド代表やスコットランド代表などとぶつかります。

「日本代表にとっては、準々決勝に進むチャンスがある。スコットランド代表とは2016年に戦って負けていますが、それは最後の最後で…という内容でした。いいところまで来ていた。いいターゲットにできる。相手が正式に決まっていない残り2つの試合も、勝たなくてはならない。一番、難しいのは、アイルランド代表かもしれない。よくなってきているチームです。ただ、日本のチームもスーパーラグビーで経験を積み、よくなっている。チーム、選手の成長が見受けられます」

――サンウルブズで躍動するブリッツ選手のジャパン入りも、期待されています。

「その通り。日本のためにワールドカップでプレーするのが、私の夢のひとつであります。そのために、やるべきことを確実にやる。選ばれるために、ハードワークをしてきたい。資格を得られるのは、確か、来年(2018年)の8月だったと思います」

――代表資格クリアの条件は「3年以上の連続居住」。その一方でブリッツ選手は初来日以降の2016年、南アフリカのチーターズの一員としてスーパーラグビーへ挑戦しています。そのあたりがどう解釈されるかが気がかりです。

「あれは、ディベロップメント(発展)のためにNTTコムがチーターズへ送り出してくれた形です。2016年は12か月間、NTTコムに在籍しています」

――その報せ、日本のファンは喜びそうです。

「ワールドラグビーがそう認可してくれることを祈ります。いまは結果を待っている段階。それが一番の懸念です」

――その日本代表は今年6月、ルーマニア代表、ワールドカップで戦うアイルランド代表と計3つのテストマッチ(国際真剣勝負)をおこないます。ブリッツ選手はどこでご覧になりますか。

「上旬は、南アフリカの家で仲間を応援します。(サンウルブズでの練習予定から)日本に戻ってくる下旬は、できればライブで観たい。チームメイトがチケットをくれたら、嬉しいです!」

サンウルブズが初白星を挙げた4月8日の第7節(東京・秩父宮ラグビー場でブルズを21-20で制した)、ブリッツは欠場を余儀なくされた。父のヴィリー・ヤフォーバス・ブリッツさんが逝去したためだ。

「厳しい時間でした。ただ、いまではチームが家族のようなものです。パフォーマンスのフィードバックをくれることがあったり、話すことはなかったとしても、ただその場にいてくれている…。それが大きいのです」

そしてチームは5月27日、東京・秩父宮ラグビー場での第14節(対チーターズ)で今季2勝目を目指す。

先発要員の入れ替えで選手層拡大を目指すチームにあって、ブリッツの出場は流動的だ。それでも、グラウンドに立って勝利を掴みたいという本人の意志は変わらない。ナショナルチームへの思いもまた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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