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日本代表・流大キャプテン、今度目指す「100パーセント」の裏側は。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
昨季トップリーグを制したサントリーでは、入社2年目でキャプテンになった。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

ラグビー日本代表は4月29日、東京・秩父宮ラグビー場でアジア・ラグビーチャンピオンシップ(ARC)の第2戦目に挑む。28日は試合会場での前日練習をおこない、今ツアーでキャプテンを務める流大が意気込みを語った。

韓国・仁川の南洞アジアードスタジアムでの初戦では、韓国代表に47―29と勝ったものの7割台だったタックル成功率が問題視された。韓国代表との再戦になる第2戦に向け、リーダーは引き締めを意識してきた。

24歳の流は昨季、サントリーで入社2年目ながらキャプテンを任され国内タイトルを完全制覇した(トップリーグ、日本選手権)。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチにも次世代のリーダー候補として期待され、22日の試合では代表デビュー戦ながらキャプテンを任されていた。

身長165センチ、体重74キロ。スクラムハーフとして、判断の正確性と防御の背後を裂くキックを持ち味とする。

以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――準備は。

「ばっちりです」

――守備の修正は。

「チームとしてもそこに時間も割きましたし、練習後も、皆さん(集まった記者)はわかると思うのですが、練習後も個人、個人でタックルをした。その両方が合わさればいいディフェンスができると思います」

――先週の試合の総括を。

「うまくいかなかったことも多かったのですけど、11人が(日本代表として)デビューできたことはポジティブに受け止めて、悔しい経験を来週に活かそう、という話を試合後にしました」

――体力的なきつさは。

「それぞれだと思いますが、僕自身はいいコンディショニングでした」

――東京に戻ってからは。

「初戦で僕自身のプレーが、よくなかった。まずプレーで引っ張ろうと意識したら、初日のGPS(走行距離を測定する機能)では僕が一番走っていて、その部分はよかったかな、と。あとは(チーム全体で課題となった)タックルも、ハーフだからといってもいかないといけない。身体を張る部分でも率先しました」

――ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、タックル成功率で「100パーセント」を目指すと。

「僕も100で行きたい。(防御網の裏をカバーすることの多い)ハーフの場合、ディフェンスをオーガナイズしていく(組織を保って味方にタックルをしやすくさせる)のがベストですが、そういう状態でなくてもしっかりと身体を張りたい。前回の試合で改めて、日本を代表する責任の重さを感じた。そこを自分のプライドとして持ちたい」

――スクラムハーフとして。

「ゲームプランを遂行すること。それを自分の強みにして、そこで差をつけるしかない」

――日本代表のキャプテンとして。

「それぞれ所属チームは違って、どの選手がどういった時にどんなプレーをするかというのがわかっていなかったとは思う。その辺は難しさがあったと思います。ただ、1試合経験したので、もう、大丈夫になってきました」

合宿が始まった頃には、最年長の山田章仁や復帰を待つ前キャプテンの立川理道らに積極的な声掛けを依頼。キャリア組と若手の間の絆を密にしてきたという。年長者の力を引き出し、自らも要所で言葉とファイトを示す。聡明な船頭役が、貴重な国際経験を積み重ねている。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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