サントリー松島幸太朗、帝京大学を「甘く見てない」。国内終了後サンウルブズへ。【ラグビー旬な一問一答】
サントリーは1月14日、日本最高峰であるラグビートップリーグの優勝を決めた。15戦全勝した唯一のチームとして、4季ぶりに頂点に立った。
喜びもつかの間、次なる戦いの準備を進める。21日から、日本選手権に参戦する。
今季の日本選手権は、トップリーグ上位3チームと大学王者の計4チームによるトーナメント戦。トップリーグ王者のサントリーは、大学選手権8連覇中の帝京大学とぶつかる(大阪・東大阪市花園ラグビー場)。
「学生対社会人」という構図で語られがちな一戦に向け、サントリー陣営は「日本選手権に出るチームとしてリスペクトして、100パーセント、スマッシュするだけです」。怪我や体調不良者を除くベストのメンバーを揃え、当日を迎えたいとする。
注目選手の1人は、やはり日本代表フルバックの松島幸太朗だろう。桐蔭学園卒業後は、南アフリカのシャークス傘下にあるアカデミーへ挑戦した23歳。身長178センチ、体重87キロの体躯で相手をしなやかにかわし、守っても低いタックルで魅せる。
2015秋のワールドカップイングランド大会でも活躍したランナーは、帝京大学戦をどう見据えているのだろう。17日、都内での練習後に意気込みを語る。
相手の対面にあたる尾崎晟也への印象を語るなか、自分たちのすべきプレーも具体的に明かした。
以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。
――まず、優勝を決めた神戸製鋼戦(兵庫・ノエビアスタジアム神戸)のビッグプレーを振り返っていただけますか。前半15分頃のことです。自陣ゴール前右大外のスペースへキックパスを通されたところ、逆側に立っていた松島選手が快足を飛ばしてカバーリング。一撃必殺のタックルでキックパスの受け手を倒し、神戸製鋼の落球や反則を誘っていました。キックパスが通った段階で失点は免れないようなあの場面、松島選手のタックルに驚いたファンも多いはずです。
「トライされるかな、と思っていたんですが、相手にうまく手が引っかかってくれた。よく止めたな、と。(味方の)ウイングが(持ち場より前方に)上がっていて、余っていたので(人数的に攻撃側が多い状態)、イチかバチか、という感じです」
――1月14日の土曜日に優勝を決めてから、いまに至るまで。どんな気持ちの切り替えをしてきているのですか。
「もともとあと2戦あると考えていたので、(優勝決定後も)そんなには、はしゃがず。月曜からは帝京大学戦に向け、しっかりとスイッチが切り替わっています。皆、甘く見ていないと思いますし、大学生ではなく日本選手権に出る1つのチームとして(捉えている)。お互いの持ち味が出たら、面白い試合になるんじゃないですかね」
――帝京大学、どう観ていますか。
「フィジカルが強くて、(ボールを)ワイドに持っていける力がある。フィジカルの部分で抑えて、プレッシャーを与えていけたらと思います。フィジカルのプレッシャーの部分でコントロール出来れば、相手の持ち味も出せなくさせられると思う。こっちがコントロールしていきたいですね」
――尾崎晟也選手、いかがですか。
「すごいセンスがあって、ハイレベルなランニングスキルがある。ディフェンスするうえでは、待つのではなくプレッシャーをかけていきたい」
――好ランナーに走る間合いを与えない、という意味ですね。
「(尾崎の立つ周辺へ)キックをするのであれば、一枚となって前に出る。逆にキックを蹴らせてチャンスになればいいですし、もし蹴らないのであればしっかりとタックルする。プレッシャーをかけていきたい」
日本選手権を終えると、2月からは国際リーグのスーパーラグビーに参戦する。前年度はオーストラリアのレベルズでプレーしたが、今季は日本代表と連携を取るサンウルブズと契約。ジャパンの戦術略やプレースタイルに「頭を慣れさせる」のを主目的する。
12月下旬にやや故障したため、現在はコンディションを徐々に高めながらフィールドに立っている。完全復調を先に見据えながら、「身体をコントロール」して活躍を期す。