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最後尾から稲妻。松島幸太朗、18日スコットランド代表戦へ万全の調整。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ワールドカップ対戦時も空中で身体を張った。(写真:アフロ)

4年に1度あるワールドカップの自国大会を2019年に控えるラグビー日本代表は、6月18日、愛知・豊田スタジアムでスコットランド代表とのテストマッチ(国際間の真剣勝負)に挑む。フルバックの松島幸太朗が意気込みを語った。

スコットランド代表は、日本代表にとっては3勝を挙げた昨秋のワールドカップイングランド大会で唯一敗れた相手。両軍のカードは25日、東京・味の素スタジアムでもおこなわれる。

ジャパンは現地時間の6月11日、敵地バンクーバーのB.Cプレイススタジアムでカナダ代表に26―22で勝利。松島は後半29分に貴重なトライを決めている。もっとも、帰国後は16日の練習中に負傷。メンバー発表があった17日のトレーニングは欠場していた。

日本でも楕円球に触れ、桐蔭学園卒業は南アフリカのシャークス傘下にあるアカデミーへ挑戦。ジンバブエ人の父を持ち、幼少期を過ごした南アフリカのプレトリアでラグビーと出会った23歳で、身長178センチ、体重87キロの体躯で相手をしなやかにかわす。守っても低いタックルで魅せる。

今季は国際リーグであるスーパーラグビーのレベルズでプレー。ここまで12戦中5戦で途中出場を果たしている。

以下、試合前日練習(豊田スタジアム)後の一問一答の一部(編集箇所あり。※は当方質問)。

――スコットランド代表に向け、リベンジへの思いは。

「リベンジについては、あまり意識はしていないです。勝ちたい気持ちが強い」

――勝つためには。

「集まっている時間は短い(4日に始動。13日に合流した選手も多い)。重要なのはコミュニケーションです。疲れた時のコミュニケーション。エリアごとに何をするか。それを皆で明確に持っているかがキーになります」

――スコットランド代表の攻守を踏まえ、どんなプレーを(※)。

「ハイボールをよく蹴って来るイメージ。バックスリーはそれに対し、ちゃんと1週間、ハイボールキャッチの練習をした。いい準備、できています」

――松島選手がプレーする、ウイングやフルバックの総称を「バックスリー」と言います。この位置の3選手の連携、取れていますか(※)。

「いいと思います。(ウイングの立ち位置の手前に落下する)ハイボールが来たら『アップしろ(捕球のために前進しろ)』というコールも、ちゃんとできているので。大丈夫です」

――警戒すべきは(※)。

「チームの軸であるグレイグ・レイドロー選手(スクラムハーフ)ですね。あとは15番(フルバックのスチュワート・ホッグ)。彼はランニングスキルが高いので、ディフェンスで抑えたい」

――このツアーでは、本来のフルバックでプレーしています。

「嬉しいです。自分の得意なポジションでプレーするチャンスをいただいたので。それを活かしていきたいです」

――練習を休んだ理由は(※)。

「(苦笑しながら)えっと、まぁ…。膝とか、古傷です。古傷の調子が良くなくて」

――マーク・ハメットヘッドコーチ代行と相談して…(※)。

「そうですね。ケアする方向で、と。身体はなまっていないので、無理する必要はないかな、と」

――試合には、調子を整えられる(※)。

「試合には合わせられる種類の怪我だったので」

――言うまでもないですが、ほぼぶっつけ本番で試合をする不安、ありませんよね(※)。

「こういうのは経験もある。心配はないです」

――19時20分キックオフのスコットランド代表戦は、地上波で生中継がされます。

「ゴールデンタイムということで、下手な試合はできない。それでも、それをプレッシャーに感じるのではなく、自分たちのラグビーを理解したうえで、チームとしていいパフォーマンスを出していきたい」

――大きな突破、期待されます。

「そういうプレーは、チームとしても勢いがつく。チャンスがあればやっていきたいです」

――堀江翔太キャプテンたちと今後の日本代表について話すこともあると思いますが、思うことは(※)。

「2019年に向けて、こういう強い相手とできる機会も増えました。勝てば、チームとしての経験値が上がる。1試合、1試合を大事にしよう、と」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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