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サンウルブズのアンドリュー・ドゥルタロ、「日本の文化をどう経営に…」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ブルズ戦では先制トライを挙げる活躍。(写真:ロイター/アフロ)

昨秋のワールドカップイングランド大会で日本代表と対戦したアメリカ代表のアンドリュー・ドゥルタロは、いま、その日本のサンウルブズというチームでプレー。国際リーグのスーパーラグビーに挑んでいる。

スーパーラグビー初参戦のサンウルブズは、試合のなかった第2節を挟んで開幕4連敗中。現地時間の4月2日、敵地ポートエリザベスでキングスとぶつかる第6節をおこなう。歴史的初白星が期待される。

なかでも活躍が必須とされる1人が、ここまでフランカーとして全試合に先発中のドゥルタロだ。身長187センチ、体重102キロの図太い体躯を密集にねじ込み、球を持てば相手にぶつかりながらのパスでチャンスを広げる。

28歳。学者をしていたフィジー人の両親が、ニューヨークに留学していた際に生まれた。5歳から18歳までは母国で暮らし、栃木の白鴎大学へ進んだ。同大ラグビー部のオフシーズンなどは、フィジーのサウスパシフィック大学へも通った。卒業後は国籍を持つアメリカへ渡り、15人制、7人制の代表に選出される。サンウルブズでは日本語と英語のバイリンガルとしても重宝されている。

2月中旬、チームの沖縄合宿中に通訳を交えて英語で単独取材に応じている。

以下、その折の一問一答。

――久しぶりに日本でプレー。いかがですか。

「戻って来られて嬉しいです。ここにはたくさん、友人もいますから。かつて日本の文化はたくさん学んだので、戸惑うことはありません。ただ、もう一度、日本の生活に自分を慣れさせて、日本語を回復させなきゃいけない。相手の言っていることは50パーセントくらいわかるのですけど、そこまで喋れない状態です。ただ、数か月も経てばもっと上手に話せると思います」

――白鴎大学では何を得たのでしょうか。

「自分は経済学部だったので、日本の会社がどのように運営するのか、日本文化をどう落とし込んで会社を成り立たせているのかを学びました。あとは、他の西洋の会社と日本の運営方法の違いを知るのも面白かったです。

――「日本文化をどう落とし込んで会社を成り立たせているのか」。具体例は。

「ラグビー選手を例にして言うと、コアスキルがすごく高いです。パス、キャッチ…。私はアメリカでもプレーしましたが、それを思い返しても日本人のスキルレベルは高いと思います。あとは、それをプレーのなかでどう活かすかを知ればいい」

――ご自身も、密集戦で球を奪うスキルが高いですね。

「7人制の経験がブレイクダウンサーキット(密集戦に相手より早く到達し、効果的なプレーをする姿勢)に活きてきたと思います。(15人制と同じグラウンドで半分の人数でおこなわれる)7人制では、1対1のシーンが多く、ブレイクダウンへのサポートは早く寄らなければならないので」

――7人制の選手として、オリンピックリオデジャネイロ大会の出場も目指していますね。

「7人制に必要なフィットネスは、ここに居ながらも高めないといけない。たぶん、オリンピックの前には、気持ちを切り替えていきます。サンウルブズでは、山田章仁も7人制をプレーします。今後は、彼と同じようなスケジュールで動くと思います」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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