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ジャパン指揮の噂も? NTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチ、国内外事情語る【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真のマフィら有望株が揃うNTTコム。指揮官が戦術を刷新し、躍動。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

NTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチが、1月5日、単独取材に応じた。

就任初年度から2季連続で日本最高峰トップリーグの上位8強入り。9日からは順位決定トーナメントに参戦。大阪・金鳥スタジアムでの1回戦では、昨季の日本選手権王者であるヤマハとぶつかる。

アイルランドはマンスターの指揮官だった2014年5月には、欧州プロ12リーグの最優秀コーチ賞を獲得。国際ラグビー界でも高い評価を得る指揮官だ。この日は練習後、「選手のインタビューが終わったら、スタッフルームへ」とにこやかに語り、時折笑みを浮かべながら質問に答えた。一時は日本代表新ヘッドコーチの候補とされていたが、その噂の真相も語っている。

以下、一問一答。

――リクシルカップへの準備は。

「ヤマハ戦に向け、準備をしています。特にいままでと変わりなく、自分たちにフォーカスを置いています。どんな相手に対しても戦っていけるパフォーマンスを発揮したいです。ヤマハはセットピースが強く、そこにプライドを持っている。五郎丸(歩)という世界基準のキッカーもいる。自分たちにとってはチャレンジです」

――ヤマハのスクラムへの対策は。

「…フェアなルールに則って組めたら。相手が強いスクラムを組むなか、レフリーの方にうまくコントロールしてもらって、こちらがコンテスト(対抗)できるようにしたい。昨年、ニュージーランドのマイク・フレイザーレフリーが来日しました。私たちのゲームでも1度吹いてもらいましたが、スクラムのマネジメントが素晴らしい。今週もそのようになればと思います」

――昨年のワールドカップイングランド大会では、日本代表がスクラムで成果を挙げました。マルク・ダルマゾスクラムコーチがルールと現実のギャップをよく見抜いていた。

「確かに、それによって成果が出ました」

――ラグビーは、難しい。

「レフリーにとってはチャレンジングですね。この先、レフリーにとってわかりやすいルール作りも必要になるかもしれません」

――NTTコムについて。フランカーの金正奎選手がゲームキャプテンを務めています。

「彼は生まれながらのリーダーの資質を持っています。選手を率先して前に立っていける。自分の話した言葉を、そのままやり切ろうとする。コミュニケーションの取り方もすばらしい。今以上にリーダーシップに自信を付ければ、周りの選手への影響力もおのずと高まっていくでしょう」

――日本代表でもあるナンバーエイト、アマナキ・レレイ・マフィ選手が、イングランドのバースへ移籍します。

「彼がどんな過程でそう決めたかは知らないので、コメントは控えます。ただ、彼にとって素晴らしい経験になるのは間違いありません。私がNTTコムで初めて観た時から、彼は明らかにアスリートとしての能力が高い選手でした。さらに成長できる余地はある。ここから、すでに上がっているゲームへの理解度がもっと上がっていけば。

こちらにいる間、練習量は増えすぎないよう調整しています。バースでも、毎週ゲームに出ることのないようにと、個人的には思っています。ヨーロッパのシーズンは5月に終わります。その後、次のトップリーグの開幕に向けて準備。(体調管理上の)問題はないと思っています」

――ヨーロッパのプロリーグ戦の特徴は。

「シーズンが11ヶ月あります。長い。いまは天候が悪い。曇っていて、寒くて、雪が降ったり。ただ、4月くらいからはいい季節になる。ナキがプレーする期間(2月以降に合流)もそのあたりですね。タフさはあります。フォワードを多用するスタイルが主流で、キックも多く使います」

―― 一時、日本代表新ヘッドコーチの候補になっていましたが。

「(笑いながら)それはメディアトークです」

――いまは別のヘッドコーチの就任が大筋で決まっているようです。もし、そうなる前、現実に話が来ていたらどうしていましたか。

「いずれは国代表のレベルでコーチングをしたい気持ちもあります。ただ、先のことはどうなるかわからない。いまはNTTコムで与えられた仕事を全うするだけです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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