トップリーグMVP&世界選抜司令塔 べリック・バーンズ流、個性の活かし方【ラグビー旬な一問一答】
8月15日に東京・秩父宮ラグビー場で日本代表と戦う世界選抜が12日、都内で練習。スタンドオフのべリック・バーンズが共同取材に応じた。
オーストラリア代表として51キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を獲得したバーンズは、司令塔のスタンドオフやつなぎ役のセンター、最後尾に位置するフルバックなどを務める万能型選手。味方の指示を聴き集めながら、正確なパスとキックで相手の盲点をえぐるゲームメーカーだ。
国際舞台の最前線を退いたいまは、日本最高峰トップリーグのパナソニックで司令塔を務める。チームメイトで日本代表の田中史朗は「人間としてもプレーヤーとしてもパーフェクトな存在」と称賛を惜しるまない。
4年に1度のワールドカップ(イングランド)を9月に控える日本代表にとって、世界選抜は格好のシミュレーションの相手だろう。メンバーにはセンターのクリスチャン・リアリーファノ、ウイングのニック・カミンズらオーストラリア代表としてのワールドカップ出場を目指すプレーヤーが、バーンズのようなキャリア組がシンフォニーを奏でる。
この日の練習は、本来は「10時から」の開始予定も「10時10分ごろホテルを出発見込み」に変更された(公開時間は冒頭の20分のみ)。昨秋、世界選抜に相当するバーバリアンズの一員となった田中は、ツアーの感想を問われてこう答えている。
「ファンの皆さんには申し訳ないですけど、ただの飲み会でした。練習はジョグで、サインも簡単なサインを合わせるだけ。それであの点数は衝撃。まだまだ、僕たち(日本人選手)は弱いのかなと思いました」
当時、1日のオーストラリアXV(オーストラリア代表に相当)とのゲームは36-40と競り、田中がフル出場したレスター・タイガース戦(レスター・2014年11月4日)は59―26で勝利した(いずれもイングランド)。
以下、バーンズの練習後の一問一答。
「(日本語で)はい、いきましょう!」
――(当方質問)集合時間が、遅くなりました。チームが集合した昨夜は、どんな様子だったのですか。
「(笑って)非常に静かな夜でしたけど、お互いを知り合うにはよかったです。お察しの通りです。いろんな国でいろんなスタイルのラグビーをやっている選手同士。難しいところもありますが、きょう、練習ができたのでよかったです」
――今回のチームでは、ワールドカップを目指す選手と、そうでない選手が混在しています。モチベーションを統一させる難しさは。
「インターナショナルの舞台から引いた状態の私は、ワールドカップを目指している選手がワールドカップに選ばれるようなプレーをしていきたいです」
――司令塔として。味方をどう活かしますか。
「一番大切なのは、この試合への姿勢やお互いへのリスペクト、1つになりきってプレーすることだと思う。このチームで100パーセントのコンビネーションは生まれない。ただ、お互いが皆のためにプレーすることで、いい試合になると思います(ここで関係者から「最後の質問で」と言われる)」
――(当方質問)日本代表には、知っている選手が多いですね。チームメイトの田中選手、堀江翔太選手、ホラニ龍コリニアシ選手、山田章仁選手…。
「とても楽しみにしています。(冗談交じりで)コリには当たりに行きたくないし、翔太からも逃げたいと思います」