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なぜレアルはベンゼマに移籍の可能性があるのか?ケイン、ホセル、フィルミーノ…ストライカー獲得の必要性

森田泰史スポーツライター
ボールを追うベンゼマ(写真:ムツ・カワモリ/アフロ)

ビッグクラブでは、選手の入れ替えが常である。

カリム・ベンゼマに移籍の可能性が浮上している。サウジアラビアのアル・イテハドがベンゼマを狙っており、獲得に向けて年収1億ユーロ(約150億円)のオファーを準備しているという。

■ベンゼマの代役

ベンゼマは2009年にリヨンからマドリーに移籍。647試合に出場して353得点を記録している。移籍となれば、14シーズンを過ごしたマドリーに別れを告げることになる。

ベンゼマの去就は不透明となっている。一方で、確かなのは、マドリーがベンゼマの代役の確保を考えていることだ。ハリー・ケイン(トッテナム)、フリアン・アルバレス(マンチェスター・シティ)、ロベルト・フィルミーノ(リヴァプール)、ホセル(エスパニョール)、ゴンサロ・ラモス(ベンフィカ)、カイ・ハフェルツ(チェルシー)…。多くの名前が、メディアで躍っている。

なかでも話題を呼んでいるのは、ケインに対する関心だ。

ケインはトッテナムと2024年夏まで契約を結んでいる。契約延長にはサインしておらず、移籍の可能性が取り沙汰されている。

ケインは今季、プレミアリーグ第22節のマンチェスター・シティ戦で決勝点をマーク。ジミー・グリーブス氏(266得点)を抜いて、クラブ史上最多得点者になった。

■ケインとピッチ上での影響力

ケインはゴールだけの選手ではない。2020−21シーズンには、23得点で得点王、14アシストでアシストキングに輝いた。攻撃面での影響力は大きく、タイプ的には非常にベンゼマに近いプレーヤーでもある。

ただ、ケインの獲得は簡単ではないだろう。2021年夏に、マンチェスター・シティが7500万ポンド(約150億円)の移籍金を用意して獲得に動いたが、トッテナムのダニエル・レヴィ会長が首を縦に振らなかった過去がある。

「ケインのプレースタイルを考えれば、どこに移籍しても成功するはずだ。トッテナムに残ると予想しているが、例えばレアル・マドリーに移籍したとして、それは素晴らしい補強になるだろう」とはトッテナムでプレーした経験があるディミタール・ベルバトフ氏の言葉だ。

「しかし、高額な移籍金が必要になると思う。僕はダニエル・レヴィーをよく知っている。スター選手に対して、多くのお金を要求する。プレミアリーグは世界最高のリーグだ。だから選手たちはイングランドから国外に出ようとしない。でも、ケインが異なるリーグでプレーするのを見られたら、興味深いね」

■マドリーのプラン

マドリーは2024年夏にエンドリックが加入する。移籍金6000万ユーロ(約90億円/ボーナス込み)でパルメイラスと合意に至っており、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスの後に続く運びとなっている。

また、2024年夏には、マドリーが再びキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)やアーリング・ハーランドの獲得に動くのではないかと言われている。エムバペについては契約が満了を迎え、ハーランドに関しては契約解除金の設定があるとされている。

マドリーは現時点で、フラン・ガルシア(ラージョ・バジェカーノ)の獲得が決まっている。だが今季のアタッカー陣のパフォーマンスを考慮すれば、ストライカーの確保は必須だ。クラブには、慎重かつ迅速な対応が求められている。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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