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解決されないグリーズマン問題。バルサとアトレティコの垣間見える本音。

森田泰史スポーツライター
ポルト戦で決勝ゴールのグリーズマン(写真:ロイター/アフロ)

ストライカーというのは、重要な存在だ。

バルセロナをめぐり、ストライカーが動いている。この夏、移籍金4500万ユーロでロベルト・レヴァンドフスキを獲得した。公式戦5試合で8ゴールと、レヴァンドフスキには最早エースの風格さえ漂っている。

■グリーズマンの状況

一方、現在、スペインで話題を呼んでいるのが、アントワーヌ・グリーズマンのケースだ。

グリーズマンはバルセロナが保有権を有する選手だ。昨年夏、2年レンタルの契約で、アトレティコ・マドリーに復帰した。

ボールを追うグリーズマン
ボールを追うグリーズマン写真:なかしまだいすけ/アフロ

議論の的になっているのは、グリーズマンの契約内容だ。

それはグリーズマンが在籍する2シーズンで、全体の試合数のうち、50%以上の試合で、45分以上プレーしたら、アトレティコ側に「買取義務」が発生するというものだ。その買取義務の移籍金の額は4000万ユーロである。

ざっくり言えば、半分以上の試合でプレーすれば、グリーズマンのアトレティコへの完全移籍が成立する。これは、昨シーズン、グリーズマンのプレータイムが81%に達していた事実を顧みれば、難しい条件ではない。

■難色を示すアトレティコ

だがアトレティコはこのオペレーションに難色を示している。

今季、グリーズマンのプレータイムは、ヘタフェ戦(28分)、ビジャレアル戦(28分)、バレンシア戦(26分)、レアル・ソシエダ戦(27分)、ポルト戦(29分)となっている。明らかに、買取義務の支払いを避けようとしているのだ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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