久保建英の去就が、気になるところだ。

東京オリンピックの開幕が迫っている。まずは五輪に集中、それが大半の見方だろう。私もそう考えたい。ただ、夏の移籍市場は待ったなしだ。ここにきて、久保に関しても移籍の話が持ち上がっている。

現在、移籍先候補として挙がっているのが、レアル・ソシエダだ。これはスペイン『アス』や『ムンド・デポルティボ』でも取り上げられている。久々に、少しマシな情報が出てきたというわけだ。

■レアル・マドリーに残る可能性は

久保がマドリーに残るというのは、ますます難しくなってきている。

ジネディーヌ・ジダン前監督が辞任して、カルロ・アンチェロッティ監督が就任した。だがマドリーはすでにエデル・ミリトン、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴ・ゴエスとブラジル人トリオがEU圏外枠の3枠を占めている。加えて、2021-22シーズンからは”ブレグジット”の影響でガレス・ベイルがEU圏外枠扱いになる可能性がある。

ヴィニシウスやロドリゴでさえ、安泰ではない状況だ。ヴィニシウスに関しては、EUパスポートを取得するために動いているが、新型コロナウィルスの影響もあり二重国籍取得のプロセスは進んでいない。その中で、久保がレンタル放出されるのは当然の流れだろう。日本では、なぜか久保がマドリーで特別な存在であるとされている風潮がある。「まやかし」を信じるのは愚か者だけでいい。レアル・マドリーというクラブにおいて、絶対的な王様は、フロレンティーノ・ペレスという会長に他ならない。バロンドールを5度受賞したクリスティアーノ・ロナウドであっても、スペシャルな存在にはなり得なかった。

久保を特別視したいメディアと人々の共同幻想はさておくとして、本題に入りたい。そう、移籍の話だ。

レアル・ソシエダ戦の久保
レアル・ソシエダ戦の久保写真:なかしまだいすけ/アフロ

ソシエダが久保に関心を寄せるのは、これが初めてではない。昨年夏にも、その興味が伝えられていた。だが昨年夏は競争が激しかった。2019-20シーズン、マジョルカでインパクトを残した久保には、スペイン国内外の30クラブ以上が関心を示していた。

マルティン・ウーデゴールの後釜を探していたソシエダだが、マンチェスター・シティとの契約が満了してフリーになったダビド・シルバを確保した。その時点で久保建英獲得のプランは消失したように思う。

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■移籍の基準

移籍の決断にあたり、久保にとって重要なのは出場機会だろう。

2020-21シーズン、久保のプレータイムは1500分に満たなかった。シーズン前半戦をビジャレアルで、シーズン後半戦をヘタフェでレンタル加入の選手として過ごした。しかしながらウナイ・エメリ監督とホセ・ボルダラス監督の信頼を完全に勝ち取るには至らなかった。