ピャニッチがバルサに移籍?ブスケッツの後継者が見つからない「4番」のポジション。

競り合うブスケッツとピアニッチ(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

ラウタロ・マルティネスやネイマールに関心を寄せているバルセロナだが、中盤を補強するために動いている。選ばれたのは、ミラレム・ピャニッチだ。選手とは、すでに4年契約で個人合意に至っているといわれており、移籍成立に向けてユヴェントスとのクラブ間交渉が残されている。

ピャニッチ獲得に際しては、移籍金3000万ユーロ(約34億円)から5000万ユーロ(約57億円)が必要だとみられている。バルセロナは選手譲渡を考慮していて、それをオペレーションに含めて移籍金を引き下げようとしているようだ。これは近年イタリアで主流となっている手法で、またバルセロナには昨年夏にGKヤスパー・シレッセンを譲渡してGKネトを獲得した経験がある。

その時、バルセロナは移籍金3500万ユーロ(約40億円)でシレッセンをバレンシアに売却した。そして、移籍金固定額2600万ユーロ(約29億円)+ボーナス900万ユーロ(約10億円)でネトを獲得した。ただ、その支払いを2020-2021シーズン以降にすることで交渉をまとめた。今回のピャニッチ獲得に関しても、選手譲渡、移籍金の引き下げ、支払い時期の調整がポイントになるかもしれない。

今季、ピャニッチはセリエA22試合に出場して3得点を記録。パス本数1458本、パス成功本数1309本、ボール奪取数135回、ボールロスト234回という数字を残している。

■ブスケッツの代役と後継者

バルセロナの抱える大きな問題が、ひとつある。セルヒオ・ブスケッツの代役がいないのだ。

ブスケッツは2008-09シーズン、リーガエスパニョーラ第2節ラシン・サンタンデール戦でトップデビューを飾った。ジョゼップ・グアルディオラ監督が、Bチームから引き上げ、彼を抜擢した。当時は、テルセラ・ディビジョン(実質4部)でプレーしていた選手の起用を疑問視する声があった。

だがシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、ブスケッツの盤石の中盤はバルセロナの黄金期において欠かせない存在になった。ヤヤ・トゥーレからポジションを奪ったブスケッツに対して、クラブは競争相手あるいは代役を見つけるためにハビエル・マスチェラーノやアレクサンドル・ソングを獲得したが、ブスケッツが不動のアンカーであるという状況は変わらなかった。

グアルディオラ、ティト・ビラノバ、タタ・マルティーノ、ルイス・エンリケ、エルネスト・バルベルデ、キケ・セティエン...。実に6人の指揮官が、ブスケッツに信頼を寄せてきた。近年のバルセロナで、リオネル・メッシという規格外の選手を除けば、ブスケッツこそが「代えの効かない」選手だった。

今季、ブスケッツはリーガエスパニョーラ23試合に出場して2得点を記録。パス本数1871本、パス成功本数1672本、ボール奪取数164回、ボールロスト234回という数字を残している。

■4番のポジション

フレンキー・デ・ヨング、アルトゥール・メロ、イヴァン・ラキティッチ、アルトゥーロ・ビダル、セルジ・ロベルト、カンテラーノのリキ・プッチ、バルセロナの中盤の人数は揃っている。

バルベルデ前監督とセティエン監督の下ではデ・ヨング、ラキティッチ、S・ロベルトがアンカーで起用された。しかしながら、ブスケッツのようにチームの攻撃に方向性を与え、スペースを管理し、カウンターを未然に防ぐという業は披露できず。また、それを超越するような術も持っていなかった。

ブスケッツが現れる前はエジミウソン、ラファ・マルケス、Y・トゥーレといった選手がアンカーに配置された。バルセロナの「4番」のポジションでは、そのパフォーマンスがチームのプレースタイルに大きな影響を及ぼす。フィジカルベースが高い、ミドルゾーンでボールを刈り取る、だけでは不十分であるというのが証明された。

バルセロナのアンカーには、難しいタスクが求められる。だが31歳のブスケッツの代役を探さなければいけない。そして、ピャニッチが選ばれるとしたら、カンプ・ノウの観衆により厳しいジャッジが下される。

東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。カンプ・ノウでメッシの5人抜きを目の当たりにして衝撃を受ける。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。過去・現在の投稿媒体は『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』等。『Foot! MARTES』出演。

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