記録的な暑さに見舞われる日本ですが、遠く離れたイタリアでも、初夏としては空前絶後の酷暑が襲っています。28日(火)ローマでは40.7度と観測史上最高気温タイとなり、フィレンツェでも気温が41.0度まで上がったもようです。その他ナポリでは37.5度と、この時期の気温を10度も上回りました。

下はフィレンツェの日最高気温のグラフです。6月の平年気温が28度のところ、一日を除いて毎日30度を超える高温が続いていました。今週に入ってからは一段と暑さが厳しくなっています。

フィレンツェの6月の日最高気温の推移 (筆者作成)
フィレンツェの6月の日最高気温の推移 (筆者作成)

高温の背景

今起きている熱波は、偏西風の蛇行が一因です。偏西風、つまり上空を流れる強風が北へ大きくうねって吹いていることで、アフリカ北部の砂漠由来の強烈な熱気が吹き込み続けているのです。

実は、その暑さの源であるアフリカ北部のチュニジアやモロッコなどは、今週48~49度という容赦ない高温が襲っており、世界でもっとも気温の高いエリアともなっています。

70年来の干ばつ

泣きっ面にハチと言いましょうか。記録的な暑さは、すでに70年来の大干ばつに見舞われているイタリアにとって、大打撃となっています。

イタリア北部のお米はリゾットなどに最適で人気が高いそうなのですが、水田が干からびて、砂浜のようになっているようです。

また国内最大河川であるポー川も枯れ果てて川底の砂が姿を現し、まるで砂州のような光景が広がっています。ポー川の水量は例年の8分の1ともいわれ、川底に沈んでいた第二次大戦に使われた船が顔を出すなど、異様な雰囲気を漂わせています。

そういえば5月のことですが、同じく干ばつで干上がったアメリカ・カリフォルニア州ミード湖の湖底から、樽に詰められた遺体が2体見つかっています。半世紀ほど前にマフィアによって殺人された可能性があるという、何ともきな臭い話です。

あの手この手で対策

話を戻すと、政府や自治体はこの状態を何とか打開しようと、あの手この手で水の節約を促しています。

たとえばミラノでは公共の噴水の水を止めたほか、ベネト州の中心部では、朝6時から夜11時まで、庭の水やりや洗車、はたまたプールに水をはることも禁止することにしたそうです。

また、ボローニャに近いカステナソという小さな町では、美容院が客の頭を二度洗いすると、最大500ユーロの罰金が科されるようになるようです。美容師さんの方は「無理だよ、冗談じゃない」と不満を口にしていますが、髪の毛を二回洗い流すと、余計に20リットルの水が必要になると知事は譲りません。

イスラエルに聴く

この深刻な状況に、イタリア政府が目を付けたのが、万年水不足にあえぐイスラエルでした。

国土の6割を砂漠が占めるイスラエルは、水の管理で世界をけん引する存在だそうです。そこでイタリアの水道会社の職員などがイスラエルに渡り、「塩水から真水にする技術」など革新的なアイディアを学ぼうとしているようです。