今年北半球は、140年続く統計の中で、史上2番目に暑い夏(6月~8月)を経験しました。しかしその一方で、南極では記録的な低温が続いていました。

【アムンゼン・スコット基地】

南極の冬に当たる4月から9月までの間、アムンゼン・スコット基地の日平均気温はマイナス61度となり、1957年に観測が始まって以来最低の記録となったようです。これまでの低温記録を0.4度下回り、過去30年平均よりも2.5度低くなりました。

【ボストーク基地】

また9月30日(木)には、ボストーク基地の気温がマイナス79.4度まで下がりました。この時期の日最低気温の平均はマイナス67度なので、12度も低かったことになります。

ボストーク基地は世界の寒極であり、地球の最低気温記録を持っています。その記録とはマイナス89.2度、1983年に記録されました。

今回の気温はそれに比べればはるかに高いものの、世界記録が真冬の7月に出たことを考慮すると、寒さのピークを過ぎた9月末にマイナス80度近くまで気温が下がったというのもすごいことです。

【ドームふじ基地】

6月にはドームふじ基地でも、マイナス81.1度という、この地点の最低気温記録にあと2度と迫る低温が観測されました。ドームふじ基地は、映画『南極料理人』の舞台としても有名です。

(↓下の折れ線グラフは、アムンゼン・スコット基地における今冬平均気温の推移。今年の寒さが一目瞭然。)

記録的低温のわけ

一体南極で何が起きていたというのでしょうか。

ワシントンポストは「極渦」が一因であったと伝えています。

極渦とは、南極や北極の空高いところに渦巻く風のことです。この風が強いと、冷たい空気を極域に閉じ込めます。反対に弱いと、寒気は周囲にも吹き出して極の寒気は和らぐのです。

今冬は極渦が強かったことから、南極に寒気が留まって気温が著しく下がったということのようです。

温暖化は止まった?

ここで疑問が生まれます。地球は過熱しているといわれますが、南極だけ逆行しているということでしょうか。

しかし多くの専門家はそうではないと考えているようです。南極は気温の上下動が著しいことでも知られており、今回の異常な寒さは長期的には続かないだろうと見ています。

ペンギンの秘密

話は変わりますが、こんな寒い南極でペンギンはなぜ暮らしていけるのでしょうか。意外にも、彼らは短足を装うことで生き延びているようです。

実はペンギンの足は長いそうなのですが、それを胴の中に隠して、体の末端から熱を逃がさないようにしているのだそうです。可愛い、よちよちウォークの裏には、生き抜く知恵が隠されていたようです。