センバツ出場36校はここだ! 26日に選考会

26日のセンバツ選考会で、いよいよ記念大会の出場36校が決まる(筆者撮影)

 新年1月8日は、サッカー、ラグビー、バレーボールの高校日本一が一斉に決まった。力を出し尽くした3年生の選手たちには敬意を表する。高校野球は夏の大会を終えると、チームが変わる。一部の国体出場校は連動して活動するが、新チームの秋の大会はすぐにやってくる。その大会の成績で出場校が決まる(選ばれる)のがセンバツ大会だ。秋の神宮大会が終わって2か月あまり。待ちに待った選考会が26日(金)に開かれる。当落線上のチームや21世紀枠の選手たちは期待と不安の日々が続いていることだろう。今大会は記念大会で、例年より4校多い36校に吉報が届く。今回も難航が予想される地区があって、予断を許さない。

地区横の( )内数字は枠数  ◎確実 ○有力 △微妙

北海道(1) 駒苫が復活

 ◎駒大苫小牧

 かつて夏の甲子園連覇を達成している駒大苫小牧が4年ぶりのセンバツを確実にした。エース・大西海翔(2年)は打線の援護に助けられた印象も、神宮大会では大阪桐蔭相手に4失点(自責2)と力投し期待が膨らむ。旭川実は終盤の猛追及ばず、補欠校か。

東北(3) 日大山形の36年ぶりなるか

 ◎聖光学院(福島)

 ◎花巻東(岩手)

 ○日大山形

 △能代松陽(秋田)

 甲子園常連2校による東北決勝は聖光が接戦を制して初の秋王者に。兵庫出身の本格右腕・衛藤慎也(2年)が速球を武器に快投を見せれば、打線も4試合で44得点と爆発した。逆に花巻東は接戦続きで、勝負強さが光る。増枠の恩恵を受けるのは日大山形か。宮城1位の仙台育英を完封で破った星が光る。意外にもセンバツは36年ぶりとなる。公立の雄・能代松陽は準決勝で最終回に8失点し、花巻東に2-16で大敗したのが惜しまれる。

関東(4~5) 甲子園未経験校が躍進

 ◎中央学院(千葉)

 ◎明秀日立(茨城)

 ◎東海大相模(神奈川)

 ◎慶応(神奈川)

 △健大高崎(群馬)

 △国学院栃木

 甲子園未経験2校による関東決勝は1点差で中央学院に。エース・大谷拓海(2年)は、高校通算23本塁打の打撃も非凡で、左打席から左中間方向への長打が魅力。二刀流の本家・大谷翔平(エンゼルス)にどこまで迫れるか。光星学院(現八戸学院光星=青森)を率いて甲子園のファンにはおなじみの金沢成奉監督(51)が、就任6年目で初めて明秀日立を大舞台へ導く。失点はやや多いが、集中打で豪快に試合をひっくり返す。これに神奈川勢が続く。東海大相模はエース・斎藤礼二(2年)が骨折で登板できないハンディを感じさせず、投打とも一丸となって選出圏に入った。斎藤が万全なら、戦力的には東日本を代表する優勝候補といえる。慶応は千葉と栃木の1位校にいずれも1点差勝ちする勝負強さを発揮した。森林貴彦監督(44)も就任3年目で初の甲子園だ。準々決勝敗退校の比較は難しい。コールド負けの作新学院は圏外としても、健大高崎と国学院栃木は予選1位でいずれも惜敗。戦力的には投打とも健大がやや上だが、18年ぶりの関東大会となった国学院栃木を推す声も多いはず。優勝校の中央学院に敗れた霞ヶ浦(茨城)は、1年生投手陣が打ち込まれ、打線も沈黙した。この関東5番手と東京2番手が最後の枠を争う。

東京(1~2) 難しい佼成学園の評価

 ◎日大三

 △佼成学園

 日大三の連続出場が確実。

日大三の1年生井上はタイブレークで航空石川にサヨナラ負けも、相手打線の勢いを止めた(撮影筆者)
日大三の1年生井上はタイブレークで航空石川にサヨナラ負けも、相手打線の勢いを止めた(撮影筆者)

前チームと比較すると小粒になった感は否めないが、決勝では9回に逆転する粘りも強み。投手陣はやや不安があり、神宮で力投した1年生の井上広輝が成長すれば面白い。佼成学園は勝利目前の9回に追いつかれて逆転を許すと、堰を切ったように大量8点を失った。内容的には遜色なかっただけに悔やまれる。最後の甲子園が昭和49(1974)年夏ということで、久しぶりのチャンスだった。関東5番手との比較は非常に難しい。

東海(3) 静岡が2年連続秋の王者に

 ◎静岡

 ◎東邦(愛知)

 △三重

 △中京学院大中京(岐阜)

 4強が予選1位という順当な顔ぶれ。投打のバランスがいい静岡が連覇を果たした。

静岡の1番・村松はシュアな打撃で好機を演出する(撮影筆者)
静岡の1番・村松はシュアな打撃で好機を演出する(撮影筆者)

右腕・春翔一郎(2年)、左腕・鈴木翔也(2年)は先発、救援とも可能で、大崩れしない。打線は1番の村松開人(2年)が出塁すると活気づく。東邦は東海大会3試合で25得点の打線が看板。課題は投手力で、187センチの大型右腕・扇谷莉(2年)らの奮起が待たれる。増枠分を争うのが三重と中京学院大中京。内容的には、東邦を9回2死までリードしてあと一歩まで追い詰めた三重がやや有利か。

北信越(3) 石川勢がアベック出場

 ◎日本航空石川

 ◎星稜(石川)

 ○富山商

 △富山国際大付

 石川と富山が4強を占め、石川勢のワンツーとなった。24年ぶりのアベック出場は確実。航空は県大会で星稜に敗れていたが、北信越では10-0の圧勝で見事にリベンジした。4番上田優弥(2年)ら昨夏の経験者を揃えた打線は、神宮大会でも猛威を振るった。投手は継投策だが、層は厚い。星稜は一昨年夏に甲子園で投げた竹谷理央(2年=主将)が故障で苦戦を強いられたが、一丸野球で選出圏に。富山の2校はいずれも準決勝で完敗したが、予選の直接対決で勝っている富山商が有利。

近畿(6) 滋賀から初のアベック濃厚

 ◎大阪桐蔭

 ◎智弁和歌山

 ◎乙訓(京都)

 ◎近江(滋賀)

 ○彦根東(滋賀)

 ○智弁学園(奈良)

 △法隆寺国際(奈良)

 △近大付(大阪)

 全国屈指の戦力を誇る大阪桐蔭が実力通り優勝。特に根尾昂、柿木蓮、横川凱(いずれも2年)の投手陣は近畿4試合で自責0と別格の安定感を見せた。神宮で精彩を欠いたのは残念だったが、センバツ連覇へ視界は明るい。智弁和歌山は、大型エース・平田龍輝(2年)に続く投手のメドが立ち、高嶋仁監督(71)を喜ばせた。ヒジの故障で登録外だった主砲の林晃汰(2年)が復帰すれば打線も迫力が増す。予選から快進撃を続けた乙訓は左腕・富山太樹(2年)、右腕・川畑大地(2年)の投手力が安定し、堅実な試合運びをする。初出場の重圧がなければ、大舞台での上位進出も期待できそう。左腕・林優樹と有馬諒の1年生バッテリーが勢いをもたらした近江は、一昨年夏の甲子園で4番を打った北村恵吾(2年)が復調。これに足のケガで離脱していた木村龍之介(2年)が復帰すれば得点力が上がる。近畿大会で近江に惜敗した彦根東が5番手か。甲子園で完投勝利を挙げている左腕・増居翔太(2年)が健在なのは心強い。秋はコンバート等で守備位置が定まらず、守備の乱れから失点する場面が多かった。8強止まりではあるが、近畿大会でも有力視されていた明石商(兵庫)を破った星が光る。滋賀からのアベック出場は史上初めて。一昨年のセンバツ王者・智弁学園は苦しい試合が続いた。西脇工(兵庫)には、畠山航青(2年)のサヨナラ弾で辛勝したが、乙訓には、左腕・伊原陵人(2年)が四球連発から早々にKOされ、完敗を喫した。「ほんまに弱い」と小坂将商監督(40)。同じく8強止まりの法隆寺国際には直接対決で勝っていて有利ではあるが、本番までにどこまでレベルアップできるか。

法隆寺国際は初戦快勝も智弁和歌山にコールド負け。選出は厳しいが好感の持てるチームだ(撮影筆者)
法隆寺国際は初戦快勝も智弁和歌山にコールド負け。選出は厳しいが好感の持てるチームだ(撮影筆者)

その法隆寺国際は、エースで4番の柚留木優太(2年)を全員で盛り立てていて、爽やかな好チームだ。近大付は左腕・大石晨慈(2年)の力投むなしく大阪桐蔭に予選、近畿ともコールド負けしたのは痛い。兵庫勢は明石商が1位校で唯一、初戦敗退するなど元気がなかった。

中国(3) 夏の勢いが残るチームのファイナルに

 ◎おかやま山陽(岡山)

 ◎下関国際(山口)

 ○瀬戸内(広島)

 △尾道(広島)

 昨夏、初めて甲子園出場を果たした2校が決勝に進み、壮絶な打撃戦を展開した。最大9点差を追いつき、延長サヨナラで振り切ったおかやま山陽は、打線が好調だった。準決勝までの3試合はいずれも7得点。決勝では12点を挙げた。夏の甲子園は初戦で完封負け(聖光学院に0-5)し、短期間で打線強化が実を結んだ。下関国際は、夏の甲子園経験者が多く残り、実力通りの結果。4番を打つエースの鶴田克樹(2年)も安定感が出てきた。記念大会で3枠が確定し、これを広島勢で争う。準決勝で下関国際にコールド負けした尾道が不利で、瀬戸内が一歩リード。1試合4本塁打の離れ業を演じた瀬戸内の主砲・門叶(とがの)直己(2年)の打棒は甲子園でも注目の的になるだろう。昨秋の中国は投手のいいチームが早々に姿を消し、全体的に大味な試合が多かった。

四国(4) 神宮枠の行方が焦点

 ◎明徳義塾(高知)

 ◎英明(香川)

 ◎松山聖陵(愛媛)

 △高松商(香川)

 △高知

 明徳の神宮枠獲得で4枠が確定した。この神宮枠に入るチームが難しい。まずは本番でも「打倒・大阪桐蔭」の一番手と目される明徳。無尽蔵のスタミナを誇るエースの市川悠太(2年)は、秋の公式戦全試合完投。打線も1年から中軸を任されながら調子を落としていた谷合悠斗(2年)が、神宮の準決勝から自信を取り戻したのは心強い。英明は180センチのエース・黒河竜司(1年)が、四国大会3試合を一人で投げ切った。決勝の明徳には、リードした9回に逆転を許して若さが垣間見えたが、本番までに成長が見込める。松山聖陵は189センチの土居豪人(2年)が、明徳戦で3失点完投し、初のセンバツへ大きく前進した。制球難が課題だ。準決勝で同県の英明にコールド負けした高松商と、高知が最後の枠を争う。英明を尺度にすれば8強止まりながら1点差負けの高知が有利なようにも思えるが、徳島1位の鳴門を終盤に逆転した粘りや、一昨年センバツの好印象から高松商を推す声が出るのは間違いない。

九州(4) 宮崎から52年ぶりアベック

 ◎創成館(長崎)

 ◎富島(宮崎)

 ◎東筑(福岡)

 ◎延岡学園(宮崎)

 九州は準決勝が極端な試合にならない限り、4強が選ばれることがほとんど。今回は公立の健闘もあり、白熱した試合が目立った。

投手の層が厚い創成館。神宮では伊藤が上、横、下と変幻自在の投法で好救援。センバツでも活躍が期待される(撮影筆者)
投手の層が厚い創成館。神宮では伊藤が上、横、下と変幻自在の投法で好救援。センバツでも活躍が期待される(撮影筆者)

創成館は、神宮準決勝で大阪桐蔭を破る金星を挙げ、自信を深めた。大型左腕・川原陸(2年)に、右腕の伊藤大和(2年)が変幻自在の投法で相手打者を翻弄するなど、投手は質、量とも申し分ない。打線は、大阪桐蔭戦で3安打した主将の峯圭汰(2年)らが、逆らわずに中堅へはじき返しつながりがいい。富島は春夏通じて初めての甲子園が確実。2番ながら長打力もある中川大輝(2年=主将)が打線を牽引する。この富島に準決勝で逆転負けした東筑は、夏の甲子園でも投げた石田旭昇(2年)が経験値の高さを発揮した。夏に続き激戦・福岡を制すると、九州初戦は興南(沖縄)との注目対決。1失点で完投勝ちすると、神村学園(鹿児島)は被安打6で完封し、難敵を連破した。延岡学園は、宮崎大会から打線が好調。九州大会では、選出圏入りが懸かった準々決勝で、明豊(大分)に打ち勝った。ユニホームを純白に一新し、センバツに乗り込む。宮崎からの2校は、昭和41(1966)年の高鍋、宮崎商以来、52年ぶり2回目となる。

21世紀枠(3) すべては当日のプレゼン次第

 

  函館工(北海道=北海道大会8強)

  由利工(東北・秋田=東北大会8強)

  藤岡中央(関東 東京・群馬=県4強)

  大垣西(東海・岐阜=東海大会8強)

  金津(北信越・福井=県優勝、北信越大会初戦敗退)

  膳所(近畿・滋賀=県8強)

  下関西(中国・山口=中国大会初戦敗退)

  高知追手前(四国・高知=四国大会初戦敗退)

  伊万里(九州・佐賀=九州大会初戦敗退)

 今回はそれぞれに長所はあっても、大きなセールスポイントのあるチームが見当たらない。したがって、選考会当日のプレゼンテーションが大きなウエイトを占める。すでに各校のプロフィールは12月15日に紹介しているが、そこで出てこなかったような話題が出てくるか、興味深い。近年は、選考委員から戦力に言及した質問も多く出されている。そのため地区大会で、ある程度の内容を見せたチームはやや有利と言える。時系列では、21世紀枠の選考が終わってから一般枠の選考が行われるため、21世紀枠の結果が一般枠の選考に影響を与える可能性もある。具体的には、一般枠での2校選出が確実視される滋賀から計3校はあるのかが今回の最大のポイント。今チームに関しての戦績は平凡だが、膳所の進学校としての実績はこれまでの21世紀枠選出校の中でもトップクラスだからだ。高知追手前が選ばれれば明徳と2校になり、当落線上の高知が不利にならないか。藤岡中央が選ばれれば関東が5校になり、東京と争う枠に影響しないか、など言い出したらキリがない。前回の記念大会では4枠あったのが3枠に減った(例年通り)が、ファンからも「21世紀枠は出尽くした」という意見が聞かれる昨今、枠そのものを見直す時期は確実に近づいている。