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10月に入って、秋晴れになる日も多く、めっきり秋らしくなってきた。そして月曜日から火曜日にかけては、今シーズン初めての冬型のような気圧配置になりそうだ(天気図は筆者作成)。冬型といっても、天気図上で一時的に現れるだけで、真冬のような強い寒気や持続性は伴っていないが、まだ台風が襲来してもおかしくないこの時期に、冬型の気圧配置になるのは最近では珍しい。来週は、もう一段階季節が先に進むことになるだろう。

気象庁発表の長期予報によれば、その後、向こう1か月は気温は高めとなっているが、11月は平年並み、そして12月は東日本と西日本で低温傾向、12月から2月の冬期間を通しても、東日本と西日本では気温が平年を下回る確率が、より高くなっている。最近は暖冬が当たり前のようになっているが、この冬は本来の冬らしく厳しい寒さになる可能性が高い。

原因はラ・ニーニャだ。ラ・ニーニャは、太平洋赤道域の海面水温の分布が、西の方でいつもより高く、東の方でいつもより低くなる現象だ。海面水温が高くなる太平洋西部では積乱雲が発生しやすくなり、その積乱雲に伴う上昇気流によって熱帯の暖かい空気が上空に持ち上げられ、上空ではその暖気が北に広がり偏西風を大きく蛇行させる。その結果、日本付近では、偏西風がいつもよりも南を吹き、寒気が流れ込みやすくなる。

このため、単純に考えると、この冬は厳しい寒さと大雪、暴風雪を覚悟しなければならない、ということになるが、最近はさらに状況が複雑になっている。というのも、年々その影響が顕著になっている地球温暖化の影響だ。偏西風が大きく蛇行して、日本付近に寒気が流れ込みやすい形になったとしても、もし地球温暖化の影響で寒気そのものが弱ければ、ずっと寒気が入り続けるわけではなく、寒気が強まる時期と弱まる時期の変化が激しく、著しい寒暖差が現れるかもしれないし、急な寒気の強まりで、低気圧が発達し、暴風雪や突然のドカ雪に見舞われることがあるかもしれない。また、積雪が増えた後に気温が急上昇すれば、雪崩や洪水が起こりやすくなることも考えられる。

(アニメーションは筆者作成)

最近ラ・ニーニャが起こったのは、3年前の2017年から2018年にかけての冬だ。この年も寒かった。11月から12月にかけて、北日本の各地で初雪が早く、北海道では12月上旬に-20℃を下回った。福井県や岐阜県などでも12月中に大雪に見舞われたほか、年末に低気圧が944hPaまで発達するなど、発達した低気圧による暴風雪害も頻発した。1月には沖縄まで強い寒気が南下し、那覇で氷あられが観測された。

交通機関にも大きな影響があった。1月11日には大雪の影響でJR信越線が15時間半にわたって立ち往生、2月初旬には大雪の影響で、福井県の国道で車1500台が立ち往生する事態も発生した。

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(気象庁資料より筆者作成)

そして関東地方では、1月半ばに一時的に寒さが緩んだ直後に、南岸低気圧が通過し、東京で23cm、前橋で29cmを記録する大雪となった。

その後再び気温が低下し、東京では33年ぶりに低温注意報が発表され、都心の最低気温は48年ぶりにー4.0℃を記録、8日連続で最低気温が氷点下になる冬日が続いたため、積雪は1週間以上続いた。この冬も、寒気が強弱を繰り返すとなると、太平洋側でもこのような大雪が心配だ。

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もうひとつ気になるのは、インフルエンザの流行状況だ。年によって統計方法などに違いがあるものの、前回ラ・ニーニャが発生した2017~2018年のシーズンは、インフルエンザの推定患者数がかなり多く、当時は1999年以来の大流行と言われたほどだった。低温と太平洋側の乾燥の影響が大きかったのではないだろうか。新型コロナウイルス感染症、季節性の感染症と、この冬は感染症対策も気を抜けない。