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熱帯低気圧が発生すれば一気に梅雨本番か。

森朗気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
画像提供:ウェザーマップ

 4月に台風1号、2号が発生した後、台風が発生していない。フィリピンの東海上の海面水温は、十分高くなっているのだが、台風の卵の熱帯低気圧もほとんど発生していない状況だ。インド洋のベンガル湾や、南シナ海では積乱雲が発達しているので、強い上昇気流の発生場所が、西に偏っていることが原因ではないだろうか。

ウェザーマップ提供

6月6日の北西太平洋の海面水温(気象庁HPより)
6月6日の北西太平洋の海面水温(気象庁HPより)

 この時期、本来ならフィリピンの東海上で積乱雲の発生が活発になる。すると、熱帯の暖かい空気が上空に持ち上げられ、その空気が日本の南海上に降りてくることによって、太平洋高気圧が強まる。太平洋高気圧が強まれば、南海上に停滞していた梅雨前線が北上し、本州から四国、九州でも梅雨が本格化するのだが、今年はまだ梅雨前線は南海上に停滞したままだ。関東甲信地方は梅雨入りが発表されたが、これは梅雨前線とは別の要因で曇雨天が続くためだ。

筆者作成
筆者作成

 今は発生がパッタリ止まっているが、もし、今後積乱雲がフィリピンの東でも発達して、熱帯低気圧や台風が発生すると、太平洋高気圧が急に強まり、梅雨入りが遅れている地方でも一気に梅雨本番になるかもしれない。日本の南海上から目が離せない。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1959年生まれ。1995年に気象予報士の資格を取得、株式会社ウェザーマップに入社。TBS テレビ気象キャスターなど。湘南と沖縄(八重山)とブラジル音楽が好き。

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