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台風9号夜中に沖縄を直撃、その後の影響は?

森朗気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
8月31日正午すぎの気象衛星画像(ウェザーマップ提供)

 台風9号は発達しながら北上中。今夜遅くから明朝にかけて、沖縄本島や久米島と周辺の島々に最接近する。雨風が深夜にピークを迎えるので、厳重な警戒が必要だ。しかも、沖縄地方で予想される最大瞬間風速は70m/s。那覇で70m/s以上の最大瞬間風速が観測されたのは、1956年(昭和31年)に1回あっただけなので、これまでに経験したことがないような暴風となるおそれもある。

 今から64年前の1956年(昭和31年)の9月、台風12号が沖縄の南海上を発達しながら北上、最盛期には930hPaまで気圧が下がり、そのタイミングで沖縄本島を直撃、那覇では73.6m/sの最大瞬間風速が観測された。その後、台風12号は東シナ海を北上し、940hPa〜950hPaで対馬海峡に進んだ。気圧の低下と暴風で、長崎港や有明海では大規模な高潮が発生し、農地にも甚大な被害が生じた。さらに日本海に進んだ後は日本海側の地方でフェーン現象が発生し、「魚津大火」と呼ばれる大火災も起きた。(図は筆者作成)

 まずは、台風9号が接近する沖縄や奄美地方で厳重な警戒が必要だが、その後も広い範囲で影響が出る心配がある。

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気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1959年生まれ。1995年に気象予報士の資格を取得、株式会社ウェザーマップに入社。TBS テレビ気象キャスターなど。湘南と沖縄(八重山)とブラジル音楽が好き。

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