中国の福建省で新型コロナの感染再発が起きた。感染源とみられるのはシンガポールから入国した男性だったが、入国後の隔離期間のPCR検査で陰性を示しながら、入国から38日後に感染が確認されたため、厳しい行動制限をとるさすがの中国でも感染の連鎖を防げなかった。

小学校で感染が発覚

 中国の国家衛生健康委員会によれば、9月11日に新たに確認された中国国内での感染者は20人。いずれも福建省だった。

 今回の感染拡大は小学校から発覚した。中国の学校は9月から始まるが、開校に合わせて学校でPCR検査を実施したところ、陽性の生徒が見つかった。

 発端となったのは福建省莆田市の仙游県楓亭鎮という地方にある小学校。まず12歳の少年とその10歳の弟にPCR検査の陽性反応が出た。濃厚接触者らに検査を広げると、その兄弟の両親、さらに少年の同級生1人とその父親と、合わせて6人に陽性反応が出た。

 今回の感染拡大の始まりは、その同級生の父親である38歳の男性とみられている。

隔離は21日、その間に症状はなく

 男性は8月4日にシンガポールから同省厦門の空港に到着、先ず厦門で14日間の隔離を終えた。その後、自宅のある仙游県に移動し、同省のコロナ対策に従い、更に7日間の隔離期間を過ごした。

 この合計21日間の隔離期間中に、PCR検査を9回、血清検査を1回受けたが、いずれも結果は陰性だったという。にもかかわらず、男性の感染が確認された。それは9月10日で、中国に入国してから38日目だった。

 11日午後、記者会見を開いた莆田市によれば、今回の感染は初期的な検査の結果として、デルタ株によるものと判断したという。

 異常に長い潜伏期間を示したとみられるケースの発生に、感染再発を許した形となった。

 中国メディアは、今回のような極端な特別な例は避けられないものの、約95〜99%は、今決めている隔離期間中に発見できる、という専門家の見方を紹介した。

 またその専門家は、デルタ株は感染力が強く、ウイルス量が多いという特徴を示しているため、これまでの株よりも発見しやすい、という見解も加えている。

映画館や飲み屋は即座に営業停止

 想定外の感染拡大に当局もあわてて対策を強化した。

 莆田市は、感染リスクが高い地域にある学校は休校とし、授業はオンラインで続けるという措置を発表し、12日から楓亭鎮全域を高リスク地域と指定した。

 また映画館や飲み屋など人が密集しそうな場所の営業の一時停止を指示した。

 住民に対しては、原則的に同市を離れることを禁止し、特定の公務や医療従事者などが同市への出入りが必要な場合には、48時間以内のPCR検査による陰性証明を提示するよう求めた。

 感染拡大の危険があるとみれば、即座に住民の活動と移動を制限するのが、中国の常套手段である。