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「幸先のいいスタートが切れた」竜王戦第1局で勝利した広瀬章人挑戦者コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

広瀬章人挑戦者「(先手番を持って)角換わりの飛車先を保留する形なので、それを活かせればなとは思っていたんですけど。(1日目、53手目)▲2五桂跳ねて、その瞬間は攻める手も受ける手もどちらもありそうで、勝負どころかなと思っていたんですけど。特に自信があったわけではなくて。こっちもそんなに手が広くないところで。わりとしょうがないという感じで進めてたら、そうですね、けっこう模様のよさもだんだん出てきたので。ひょっとしたら局面がよくなってたのかなと思いました。(41手目▲1八香までは2019年竜王戦本戦▲藤井聡太七段-△近藤誠也六段戦[肩書はいずれも当時、結果は藤井勝ち]と同じ進行だった)そうですね、あの局面になったら▲1八香車は上がろうかなとは思ってました。(1日目午後は長考の連続となった)そうですね、やっぱり中盤の難所で。ちょっとやっぱり通常の形とも違うところもあったので、ちょっと読みを入れて、というところで。(54手目)△4四銀かわされてしまったのでこちらも、ゆっくりしてると桂も取られてしまうかもしれないので、まあちょっと戦いに持っていかなければなと思っていた時間帯です。(2日目午後、88手目)△7二飛車の勝負手を、ちょっとあまり、深くは精査してはいなかったんですけれども。(この将棋で勝ちを意識したのは)最後(最終107手目)▲5五角の王手がぴったりする筋が多くなるので、最後の最後ですね。(第2局に向けて)幸先のいいスタートが切れたので、2局目以降、気持ちを切らさずに、がんばりたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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