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【最年少名人ロード】藤井聡太竜王(20)8月10日、A級2回戦で菅井竜也八段(30)と対局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月10日。愛知県・名古屋将棋対局場において第81期A級順位戦2回戦▲菅井竜也八段(0勝1敗)-△藤井聡太竜王(1勝0敗)戦がおこなわれます。

 本局はA級2回戦、最後の一局となります。

 ここまで2連勝は広瀬章人八段、稲葉陽八段の2人。史上最年少名人が期待される藤井聡太竜王も、本局に勝てば2連勝です。

 藤井竜王は1回戦、佐藤康光九段と対戦。今年度から創設された名古屋将棋対局場において、記念すべき初勝利をあげました。

 藤井竜王の順位戦通算成績は50勝3敗(勝率0.943)。これまでの将棋界の常識では考えられない、とんでもない、信じられないような成績です。

 菅井八段は今期A級1回戦で斎藤慎太郎八段に敗れています。

 藤井竜王と菅井八段の過去の対戦成績は菅井2連勝のあと、藤井5連勝です。

 ここまで7戦、すべて菅井八段が飛車を振っています。本局もおそらく、そうなるでしょう。

 藤井竜王の今年度成績は10勝3敗です。

 王位戦七番勝負もおこなわれており、相変わらずのハードスケジュールは続いています。ただし棋聖戦五番勝負は第4局で防衛を決め、第5局がなかった分、少しだけ「夏休み」が生じたのかもしれません。

 菅井八段の今年度成績は2勝4敗です。直近では日本シリーズで羽生善治九段に敗れています。

 菅井八段がもし勝っていれば、こちらでも藤井-菅井戦になるところでした。

 A級順位戦は持ち時間6時間。昼食休憩、夕食休憩をはさんで、通例では深夜に終局となります。他のクラスはすべてチェスクロック方式ですが、A級のみはストップウォッチ方式(60秒未満切り捨て)。他のクラスに比べて遅く終わる傾向にあります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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