３月７日。第35期竜王戦１組ランキング戦２回戦▲羽生善治九段（51歳）－△丸山忠久九段（51歳）戦がおこなわれました。

　羽生九段先手で10時対局開始。後手番となった丸山九段はいつものように、得意の一手損角換わりで臨みます。羽生九段が早繰り銀に出たのに対して、銀矢倉でやわらかく応対。陣形の再整備のあと、相腰掛銀にスイッチしました。

　激しい戦いに入ったあと、羽生九段は飛車を切って攻めていきます。対して丸山九段は自陣飛車を打って頑強に抵抗。難しい戦いが続きました。

　終盤の寄せ合いで優位に立ったのは丸山九段でした。最後は受けの自陣飛車が攻めにもはたらいてきます。丸山九段はその飛車を捨てる間に華麗にフィニッシュ。セオリー通り羽生玉を下段に落として、受けなしに追い込みました。

　残り３分の羽生九段。記録係の「50秒」という声を聞いたあと、羽生九段は「負けました」と投了の言葉を告げました。

　丸山九段はこれで１組ベスト４進出。準決勝では永瀬拓矢王座（29歳）と対戦します。

　丸山九段は本戦進出まであと１勝、１組優勝まであと２勝となりました。１組の最多優勝者は丸山九段で過去５回。もし今期優勝すれば、自身の記録を更新することになります。

　羽生九段は４位決定戦に回って、本戦進出を目指すことになりました。次戦では松尾歩八段（41歳）と対戦します。

　２組準決勝では▲森内俊之九段（51歳）－△佐藤康光九段（52歳）戦と、こちらも黄金世代対決がおこなわれていました。結果は乱戦を制した森内九段が97手で勝利。２組決勝進出を決め、今期全組を通じて本戦進出一番乗りを決めました。

　藤井聡太竜王（19歳）への挑戦権を獲得するのは、はたして誰でしょうか。