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渡辺明棋王(37)棋王戦第2局を制し10連覇まであと1勝! 永瀬拓矢挑戦者(29)はカド番に

松本博文将棋ライター

 2月19日。石川県金沢市・北國新聞会館において第47期棋王戦五番勝負第2局▲渡辺明棋王(37歳)-△永瀬拓矢挑戦者(29歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は18時29分に終局。結果は103手で渡辺棋王の勝ちとなりました。渡辺棋王はこれで五番勝負で2連勝。10連覇達成まであと1勝としました。

 第3局は3月6日、新潟県新潟市・新潟グランドホテルでおこなわれます。

 両者の通算対戦成績はこれで渡辺18勝、永瀬5勝となりました。

渡辺棋王「(先手で相掛かりの将棋に。25手目、角筋を止める▲6六歩は)まあ、予定で。はい。そうですね、(▲6五歩と五段目まで進めて)6五、位(くらい)取ってそれを主張にするぐらいは予定で。(59手目▲4四歩では▲6四同歩も検討されていたが)ちょっとそうですね、あそこは手が広くてわからなかったですね。なんか、どう指しても一局だとは思ったんですけど。手が広くて、あのあたりはわかんなかったですね。(69手目、端に角を出てぶつける▲9七角は)いや、あんまり成算はなかったんですけど、ちょっと代案もなかったんで。ぶつけていってどうなるかっていう感じでやってました。(角交換のあと73手目、▲4六角と自陣に据えた)まあ、すぐには負けない形にはなったな、とは思ってたんですけど。ただ、攻めもあまり、いまいちなんで。息長く指そうかなっていう。はい。(79手目、相手の飛筋が素通しのまま▲2九飛と一段目に引いた手は)強襲されるような手がなければまあ・・・。(戦場から玉を遠ざける)▲4八玉とかなれば、それなりかなと思ってたんですけど。駒が前に出ていった、(91手目)▲5五銀と出て▲4五桂と跳ねていったあたりで、調子はいいかな、とは思ってました。(終盤は王手の)△1五角みたいな筋に気をつけて指そうとは思っていました。(これで2連勝、第3局に向けて一言)そうですね、また2週間ほど空くので、普段通り準備して迎えたいと思います」

永瀬挑戦者「(55手目、渡辺棋王が▲4七金と上がった局面では?)少し自信はないのかな、と思ったんですけど。(72手目、△4二歩と受けるところで攻める手は?)そうですね、比較はしたんですけど、わからなかったので。比較して本譜を選んだんですけど、ちょっと判断が難しいのかな、と思いました。(80手目△4一玉に代えて攻める手は?)そうですね、△8七角は考えたんですけど、▲同金△同飛車成▲4八金かなと思ったような気がします。それでわからなかったんですけど。ただ本譜の△4一玉▲4八玉で(相手玉が)安定してしまったので、そちらを選ぶべきだったかもしれませんけど。ちょっとそこは判断が難しくてわからなかったです。(一局を振り返って、25手目、相手の)▲6六歩に△6四歩とかを考えなければいけなかったかもしれないです。ちょっと本譜、6五の歩を負担にするのは難しいとは思ったので。先手、主張のある展開になってしまったのかな、と思います。(第3局に向けて)せいいっぱい準備をしてがんばりたいと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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