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三枚堂達也七段(27)竜王戦3組優勝で本戦進出決定! 都成竜馬七段(31)の地下鉄飛車を破る

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月22日。東京・将棋会館において第34期竜王戦3組ランキング戦決勝▲都成竜馬七段(31歳)-△三枚堂達也七段(27歳)戦がおこなわれました。

 都成七段は鈴木大介九段、行方尚史九段、増田康宏六段を連破しての決勝進出。

 一方の三枚堂七段は大石直嗣七段、高橋道雄九段、高見泰地七段を破って勝ち上がってきました。

 2018年、都成五段(当時)は6組で優勝し本戦に進出。そこで5組優勝の藤井聡太七段(当時)に敗れています。

 藤井現二冠は今期2組で優勝しています。都成六段が3組優勝を決めれば、両者ともに3つ上のクラスにステップアップしての優勝です。

 10時、対局開始。都成七段は三間飛車、三枚堂七段は居飛車穴熊という布陣です。

 都成七段は序盤から工夫を見せます。7筋の飛車を一段目に引き、端1筋の香を二段目に浮いて、飛車を1筋に転回。地下鉄飛車から穴熊を狙い撃つを二段ロケットを完成させました。ロマンあふれる指し回しで、穴熊の弱点である端に飛銀桂香を集中させ、攻めていきます。

 対して三枚堂七段はうまく応対。形勢を保って反撃に転じ、リードを奪いました。

 終盤は都成七段が追い込んで白熱の攻防。最後はどちらにも勝つチャンスがあったようです。

 最後に勝利をつかんだのは三枚堂七段でした。都成玉を即詰みに討ち取って、22時22分、124手で終局となりました。

 三枚堂七段はこれで3組優勝。初の本戦進出を決めました。

 三枚堂七段は本戦初戦で2組2位の八代弥七段(27歳)と対戦します。両者は同じ1993年度生まれです。

 三枚堂七段と八代七段の過去の対戦成績は、三枚堂3勝、八代4勝と拮抗しています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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