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藤井聡太棋聖(18)に挑戦するのは誰か? 4月2日、ヒューリック杯棋聖戦・準々決勝2対局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月2日。第92期ヒューリック杯棋聖戦準々決勝の2局がおこなわれます。

 豊島将之竜王(30歳)-山崎隆之八段(40歳)戦は大阪・関西将棋会館にて。ABEMAでも中継されます。

 2020年度成績は、豊島竜王は33勝19敗(勝率0.635)。叡王位獲得、竜王位防衛、JT杯優勝などの実績を残し、将棋大賞では敢闘賞を受賞しました。棋聖のタイトル獲得は1期。藤井聡太棋聖との対戦成績は6勝1敗と圧倒的。もし挑戦者に名乗りをあげれば、藤井棋聖にとっては最難敵といえそうです。

 山崎八段は22勝11敗(0.667)。B級1組では2位の成績をあげ、悲願のA級昇級を果たしました。ファンの次なる願いは、タイトル初獲得でしょう。

 両者の過去の対戦成績は豊島9勝、山崎6勝です。

 山崎八段にとっては「いきなり重い」という感触。観戦者にとっては新年度から必見の好カードといえそうです。

 佐藤天彦九段(33歳)-中村太地七段(32歳)戦は東京・将棋会館でおこなわれます。

 両者の過去の対戦成績は佐藤4勝、中村3勝です。

 2020年度成績は、佐藤九段は21勝21敗(勝率0.500)。中村七段は14勝19敗(勝率0.424)でした。

 デビュー以来ずっと高い勝率をあげ続け、タイトル獲得経験もある両者。その実力からすれば、ここ最近は本調子ではないように見受けられます。今期棋聖戦で上位に進むのは、どちらでしょうか。

 ところで前期ベスト4は佐藤天彦九段、藤井聡太七段(現棋聖)、山崎八段、永瀬拓矢二冠(現王座)でした。

 今期も展開次第では、渡辺明前棋聖と藤井現棋聖が入れ替わっただけで、あとの3人は一緒という可能性もあります。はたして今期ベスト4はどのようなメンバーとなるでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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