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豊島将之竜王(30)名人挑戦権争い2番手キープ A級7回戦で三浦弘行九段(46)に勝利

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月13日。東京・将棋会館においてA級順位戦7回戦▲豊島将之竜王(30歳)-△三浦弘行九段(46歳)戦がおこなわれました。

 10時に始まった対局は23時3分に終局。結果は107手で豊島竜王の勝ちとなりました。

 リーグ成績は、豊島竜王は5勝2敗。斎藤慎太郎八段(6勝1敗)に次いで名人挑戦権争い2番手の位置をキープしました。

 一方の三浦九段は1勝6敗。A級残留に向けて厳しい状況が続いています。

豊島竜王、2敗堅持

 豊島竜王の先手で戦型は横歩取り。誘った側の三浦九段は当然周到な準備で臨んだことでしょう。進んで現代最新の形となりました。

 午後の戦いに入っての42手目。三浦九段は決然と中段に桂を跳ね出して動いていきます。これで手が続くのかどうか。

 豊島竜王は三浦陣に角を打ち込み、じっと馬(成角)を作って、三浦九段の攻めをけん制します。夜戦に入ったところでは、豊島竜王がペースをつかんでいたようです。

 じっとしていられない三浦九段は豊島陣に角を打ち込み、攻め続けます。対して豊島竜王は相手の桂をはずすことに成功。手厚く馬を中央に引きつけ、優位を築きました。

 三浦九段もまた馬を作り、桂香を取ったあとで中段に馬を引き、追い込みを見せます。

 最後は互いに相手の玉周辺の守り駒をはがしあう寄せ合い。豊島竜王の速度計算は正確で、きれいな一手勝ちとなりました。

 大阪・関西将棋会館でおこなわれていた▲佐藤天彦九段(32歳)-△菅井竜也八段(28歳)戦は23時31分、119手で佐藤九段の勝ちとなりました。

 名人挑戦権争いは、斎藤八段(6勝1敗)、豊島竜王(5勝2敗)、広瀬章人八段(5勝2敗)、佐藤天彦九段(4勝3敗)の成績上位4者にしぼられました。4者が残すはあと2戦。最終9回戦では斎藤-佐藤天彦戦、豊島-広瀬戦が組まれています。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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