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羽生善治九段、タイトル通算100期へ前進か? 丸山忠久九段、4回目の挑戦か? 本日竜王戦挑決第1局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月17日。東京・将棋会館において第33期竜王戦挑戦者決定戦三番勝負第1局、羽生善治九段(49歳)-丸山忠久九段(49歳)戦がおこなわれます。

 挑決は三番勝負で、第1局の先後は対局開始前に振り駒で決められます。豊島将之竜王(30歳)への挑戦権獲得に向けて、まず1勝をあげるのは、はたしてどちらでしょうか。

 開始時刻は10時。持ち時間は各5時間。昼食休憩、夕食休憩をはさんで、通例では夜に終局となります。

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 将棋界のレジェンド羽生九段は過去に竜王位を通算7期獲得。渡辺明現名人(竜王位通算11期)に続いて、史上2人目の永世竜王の資格を得ています。

 タイトル獲得数は史上1位の通算99期です。

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 羽生九段が今期竜王復位となれば、通算100期達成。2018年の竜王位失冠以来続く「無冠」を返上することにもなります。

 羽生九段は今期、1組で優勝。

 本戦準決勝では梶浦宏孝六段(5組優勝)に勝ちました。

 羽生九段の今年度成績は6勝4敗です。

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 丸山九段は2011年、2012年、2016年と3回七番勝負に進出。いずれも渡辺明竜王(当時)に挑戦を退けられていますが、2016年は竜王位獲得まであと1勝と迫りました。

 今期は2組2位で本戦に進んでいます。

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 本戦では藤井聡太棋聖(3組優勝)、佐藤和俊七段(1組2位)、久保利明九段(1組3位)を連破して挑決に進出。

 丸山九段の今年度成績は7勝6敗(1千日手)です。

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 羽生九段と丸山九段は1992年以来、57回の対戦があります。成績は羽生九段38勝、丸山九段19勝。

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 タイトル戦では2度対戦し、1999年度王座戦五番勝負は羽生九段、2002年度棋王戦五番勝負は丸山九段が制しています。

 平成の間に数多く対戦してきた両者も、これまで挑戦者決定戦で対戦することはありませんでした。両者の令和初対戦は、竜王戦挑決三番勝負という大きな舞台で実現しました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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