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「8局目まで行きたいという気持ちで指していた」叡王戦第6局勝者、豊島将之竜王・名人コメント全文

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 叡王戦第6局は挑戦者の豊島将之竜王・名人(30歳)が永瀬拓矢叡王(27歳)に勝利を収めました。

 第7局は8月10日、東京・将棋会館でおこなわれます。先後は改めて振り駒によって決められます。

 第8局、第9局の日程や概要は、今後運営側から発表されるようです。

 感想戦終了後、勝者の豊島挑戦者にはインタビューがおこなわれました。

豊島将之挑戦者「最近は連敗が続いていたので、一つ勝ててほっとしたというか。難しい将棋でしたけど、結果が一つ出たのでよかったかなと思います。横歩取りでもいろいろな形があるので、そんなに予想はできてなかったですけど(26手目)△7五飛のあとは手探りの序盤戦だったと思います。最後の終盤の(103手目)▲8七歩のところはちょっとわからなかったんですけど。もしかしたら▲8七歩に角を引かれたらまずかったのかもしれないですけど。指している時は全然気づいていなくて。負けがあるかもしれないですけど、ちょっとどうやってやられるかわからないんで、歩を打って勝負しようというような考えでした。今日の将棋は『持将棋』にはならなさそうな将棋だったかなと思うんですけど(笑)。リフレッシュ法はそんなにないんですけど、最近ちょっとNBAが再開したので、昨日とかも見て気分転換しています。(第2局、第3局と)持将棋になったので、なんとか(1勝4敗2分の敗退で)7局で終わらないように、8局目まで行きたいという気持ちで指していたので。こういう展開になったので、しっかり体調を整えて。少し最近調子が落ちてましたけど、それでも一応、名人戦もそうですけど、タイのスコアで来れているので、これから調子を上げてがんばっていきたいと思っています。(観戦していたファンに)最後までご観戦いただきまして、ありがとうございます。次局以降も全力を尽くしてせいいっぱいやっていきたいと思いますので、どういう結末になるか、次局以降も最後までご観戦いただけたらと思います。ありがとうございました」

 叡王戦第7局(8月10日)の直前、8月7日・8日には、名人戦七番勝負第5局がおこなわれます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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