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藤井聡太七段(17)が木村一基王位(47)に勝利 王位戦第2局終局後インタビュー全文まとめ

松本博文将棋ライター
(写真撮影:筆者)

藤井聡太七段「(26手目)△4四角に▲2七飛と引かれて・・・。本譜は動いていったんですけど、うまく対応されて苦しくなってしまったような気がします。序盤(34手目)△3五歩と突き捨てたのが常に響いてしまって、苦しい展開なのかなと思ってました。(61手目)▲8六角から▲2九飛というのがいい手順で、ちょっと収拾がつかなくなってしまったのかな、と思っていました。▲2九飛から▲2八香がかなりきびしいので・・・かなり苦しくしてしまったという気がしました。常に厳しく攻められて・・・。ずっと苦しかったかな、と思うんですけども。(△5三香から△2六角で)こちらに手番が渡ったという意味では少しアヤが出てきたところはあるのかな、と思ってました。(よくなったかと思ったところは)最後、開き直って踏み込んだという感じなので、最後までわからなかったです。(初めての封じ手は)いい経験ができたかなと思うので、また次に活かしたいなと思います。これからも対局が続きますけど、どの対局もいいコンディションで迎えられるように、しっかり調整したいなと思います。今日の将棋を反省して、また第3局に活かせていければと思います」

木村一基王位「(27手目▲2七飛は)あんまりいいとは思いませんでした。右辺の銀と桂が凝り形になっちゃって、思うように活かしにくいかなあ・・・という形が続いたようで、ちょっと失敗したかなあ、と感じていました。(▲8六角のあたり、直前の)△9六飛自体は我慢してるような手っていうのはあるので、もうちょっと我慢続けた方がよかったかな、という気もしたんですけど、まあ・・・難しいとこでしたね。ただまあ、互角ぐらいの流れではあったかな、と思いました。ちょっと(相手の)金が遊んでるので、流れはいいのかと思ってはいたんですけど、常に一手間違えれば、攻め込まれたりとか、飛車取られたりとか、そういった変化が多かったので、常にプレッシャーをかけられたという・・・。(形勢は)ちょっと明快さに欠けたので、どうでしたかね。(122手目△5三香のあたりは)ちょっと寄せ損ねてますよね。最後・・・いや、なんかあったかもしれないな、と思いましたけど、たぶん、逃してるのか、もう逆転してるのか。よくわからなかったですね。ちょっと、チャンスはあったと思います。(第3局に向けては)一生懸命、せいいっぱい頑張りたいと思います」

(7月14日夜、北海道札幌市・ホテルエミシア札幌にて)

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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