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女流タイトルホルダーとして竜王戦6組出場の西山朋佳女流三冠(24)3回戦で青野照市九段(67)と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 3月9日。東京・将棋会館において第33期竜王戦6組3回戦・青野照市九段(67歳)-西山朋佳女流三冠(24歳)戦がおこなわれます。勝者はベスト8進出となります。

 青野九段は桐山清澄九段(72歳)に次いで現役2番目の年長棋士。竜王戦1組6期、A級11期(現在はC級1組)などの実績を残す大ベテランです。

 西山女流三冠は、現在の正式な立場は「女流棋士」ではなく「奨励会三段」です。7日の三段リーグ最終戦、史上初の女性棋士となるまであともう一歩と迫ったのは記憶に新しいところです。

 西山三段は出場できる女流公式戦には参加し、その全てでタイトルを保持しています。

 竜王戦6組には女流棋士4人・奨励会員1人(年度前期三段リーグ次点者)・アマチュア5人が出場します。

 西山三段は「女流三冠」(トーナメント開始時には二冠)の立場として出場しています。

 西山女流三冠は1回戦で小林宏七段、2回戦で田中寅彦九段に勝利しました。この時の田中九段戦も奨励会(三段リーグ)例会日から中一日を置いての対局でした。こうして西山三段は今後も、ハードスケジュールが続いていくのかもしれません。

 竜王戦6組では女性やアマチュアも決勝まで勝ち上がると、5組へと昇級できます。

 また6組優勝となればもちろん、決勝トーナメント(本戦)に進出し、豊島将之竜王への挑戦権を争うこともできます。

 ただし現時点では、6組決勝まで勝ち進んだ女性、アマチュアはいません。今後、そうした人は現れるでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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