藤井聡太七段(17)タイトル挑戦までついにあと1勝! 19日に広瀬章人竜王(32)と王将挑戦者決定戦

挑戦権を獲得できるのは広瀬竜王か藤井七段のどちらか(記事中の画像作成:筆者)

 11月14日。大阪の関西将棋会館において王将戦リーグ▲藤井聡太七段(17歳)-△久保利明九段(44歳)戦がおこなわれました。棋譜はこちらの公式ページをご覧ください。10時に始まった対局は20時15分に終了。結果は157手で藤井七段の勝ちとなりました。

 藤井七段のリーグ成績はこれで4勝1敗。初のタイトル挑戦まで、ついにあと1勝と迫りました。最終戦の▲藤井聡太七段(4勝1敗)-△広瀬章人竜王(4勝1敗)戦が挑戦者決定戦となり、勝った方が渡辺明王将(35歳)への挑戦権を獲得します。

 藤井七段の勝利によって、ここまで3勝2敗の豊島将之名人、羽生善治九段が挑戦権を獲得する可能性はなくなりました。

 久保九段は1勝4敗となって、リーグ陥落が決定しました。

【前記事】

王将位挑戦まであと2勝の藤井聡太七段(17)久保利明九段(44)の四間飛車を受けて立つ

 後手番の久保九段の作戦は四間飛車から居飛車穴熊をけん制する姿勢を見せたのに対して、藤井七段は揺さぶりをかけました。

 微妙な駆け引きの後、藤井七段は香を上がって穴熊に組もうとします。その瞬間に久保九段は動く順を見せます。そこで藤井七段は穴熊に組まずに自ら仕掛け、中盤の戦いが始まりました。

 藤井七段は馬(成り角)を作って自陣に引き上げる成果を得ます。対して久保九段は相手の手に乗って、反撃のチャンスを待ちました。

 中盤のあわただしい状況の中で、藤井七段は敵陣三段目、2筋にじっと歩を打って、次にと金を作ります。と金攻めはリスクが少なく確実な成果が見込めることが多く、藤井七段は香を得する戦果を得ました。さらに得した香と交換して持ち駒とした桂を攻防の要所に据え、藤井七段がはっきり優位に立ったようです。

 最終盤。藤井七段は久保玉の上部から攻めた後、藤井七段は再び、今度は5筋に歩を打って、と金を作りました。

「玉は包むように寄せよ」の格言通りの好手で、久保玉の逃走ルートに抑えの駒を作ります。こうした手が間に合うのであれば、藤井七段の勝勢は疑いありません。

 久保九段はさばきにかけても、粘りにかけても超一流。自玉の前後左右を藤井七段の駒に囲まれながらも、手段を尽くして強靭に耐え抜きます。そして8筋にいた玉は、藤井七段の重包囲網をかいくぐって、最後は盤面の反対側、2筋にまで逃げました。

 感動を覚えるような久保九段の粘り。しかし藤井七段は、最後まで誤りませんでした。時間が切迫する中、最後もきれいな寄せの手順を組み立て、見事に難敵を降しました。

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 激熱の王将戦リーグもいよいよフィナーレの瞬間が迫ってきました。19日の最終戦、挑戦者決定戦で勝つのは広瀬竜王、藤井七段のどちらとなるでしょうか。

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 今期の王将戦七番勝負の日程はまだ発表されていませんが、これまでの例では1月に開幕しています。もし藤井七段が王将挑戦を決めた場合、第1局に登場するのは17歳5か月となります。これは屋敷伸之五段が1989年に棋聖戦五番勝負に登場した17歳10ヶ月24日という記録を抜いて、史上最年少となります。

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