7月21日(水)から8月6日(金)にかけて、東京五輪に臨むなでしこジャパンのメンバー18名が、6月18日(金)に発表された。

 選ばれた18選手のうち、ここではMF登録の選手を紹介する。

GK(2名)

DF(6名)

FW(4名)

【MF(6名)】

7 中島 依美 ナカジマ エミ(INAC神戸レオネッサ/30歳/SH、ボランチ)

中島依美
中島依美写真:松尾/アフロスポーツ

戦術理解の高さとテクニック、運動量で攻守を司る中盤の要。両足で長短のパスから攻撃にスイッチを入れる。以前は右サイドや攻撃的なポジションでゴールを狙うプレーも多かったが、攻撃に特長のある選手が増えた中で、最近はボランチに定着。中盤の底でバランスを取りながらアシストを量産している。なでしこジャパンでは長くセットプレーのキッカーを務めており、拮抗した試合で状況を打開するキーパーソンとなる。高倉ジャパンでは60試合中最多の56試合に出場してきた。経験を重ねてチーム内での存在感もさらに増し、昨年以降は唯一、すべての試合にフル出場している。代表キャップ数も「85」と、熊谷に次ぐ数字となった。多くを語らず背中で見せるタイプだが、ベスト16で敗退した2019年W杯に比べて、「日本の良さであるポゼッションは、前回よりもよりよくやっているのではないかなと思います」と、チームの成長に手応えを口にしている。替えが利きにくい選手であり、強豪との試合が続く今大会で、日本の勝ち上がりの浮沈を握る存在になることは間違いないだろう。

14 長谷川 唯 ハセガワ ユイ(ACミラン(イタリア)/24歳/トップ下、SH)

長谷川唯
長谷川唯写真:長田洋平/アフロスポーツ

ピッチを縦横無尽に動きながら、創造性溢れるパスやシュートで攻撃に違いをもたらす司令塔。日テレ・東京ヴェルディベレーザで2015年からなでしこリーグ5連覇の黄金時代を築き、フル代表では2017年から主力に定着している。昨季、イタリア・セリエAのACミランからオファーを受け、夢だった欧州でのプレーを実現させた。「イタリアは組織的というより個人の強さを活かしたプレーが多くて、その中で日本の良さをどう還元できるかを考えながらやっていました」と、調整しながら、ミランでも持ち味のテクニックやセンスを活かしたプレーを発揮して主力に定着。ゴールやアシストなど結果も残し、来季のUEFA女子チャンピオンズリーグ出場権獲得にも貢献した。個の部分では、「当たりの強さは感じますが、スピードの部分では置いていかれることはない」と、自信も掴んでいる。すでにレアル・マドリードやバルセロナ、パリ・サンジェルマンなど、欧州女子の複数のビッグクラブが興味を示し始めているようだ。五輪でも持ち前のスキルとアイデアを生かしてスタジアムを沸かせてほしい。

6 杉田 妃和 スギタ ヒナ(INAC神戸レオネッサ/24歳/ボランチ、SH)

杉田妃和
杉田妃和写真:YUTAKA/アフロスポーツ

年代別代表から、すべての国際大会に主力として出場し、U-17とU-20の両W杯でMVPを受賞したゲームメーカー。流動的に動きながら中盤から前線まで幅広いエリアでボールに関わり、献身的な守備も光る。腰を低くしたボールキープや、“両利き”とも言えるキックが強みで、運動量の多さやケガの少なさも信頼に繋がっている。INACでも代表でもボランチとして長くプレーしてきたが、昨季は左サイドで攻撃のセンスを発揮。WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)がスタートする今季は、INACでエースナンバーの10を背負うことになり、プレシーズンマッチではFWでプレーし、プレーの幅を広げた。今季、長いシーズンを戦い抜くためにオフの時間の使い方を見直したことを明かしており、「ストレスを溜めない工夫をしながら、コンディションも保てています」と、オンとオフのメリハリをつけ、調子を上げている。速く走るためのフォーム改善や、リーチを長くすることにも継続的に取り組んでいるという。代表初ゴールを決めた4月のパナマ戦から2試合連続ゴールと好調で、本大会でも活躍を予感させる。

8 三浦 成美 ミウラ ナルミ(日テレ・東京ヴェルディベレーザ/23歳/ボランチ)

三浦成美
三浦成美写真:アフロ

的確な状況判断とポジショニングで、攻守を安定させる中盤の組み立て役。低い位置で相手の芽を摘むプレーや、プレッシャーを受けない位置でボールを受けてビルドアップの起点となる。156cmと小柄だが、体の使い方がうまく、国内では1対1のデュエル勝率も高い。代表では2019年からレギュラーに定着し、ダブルボランチを組む中島依美や杉田妃和と共に日本の生命線となるポゼッションの中心部を支えてきた。中盤は複数ポジションでプレーする選手も多いが、三浦はボランチ専門のスペシャリスト。自身の個性について「目立たないプレーをブレずに、丁寧にやっていくこと」と言うように、派手さはないが堅実で、好不調の波がないことも魅力だ。どの選手とプレーしてもスムーズなコンビネーションを築けるのは、観察力の高さゆえだ。今季はベレーザで、試合中に最終ラインから前線までプレーエリアをさらに広げている。今春からプロになり、個人トレーニングで持久力やフィジカル強化、反転など、対海外をイメージしたプレーに磨きをかけてきた。男子のU-24日本代表のDF板倉滉やMF三笘薫と幼馴染で、MF久保建英とも小学生時代、サッカークラブのチームメートだった。

13 塩越柚歩 シオコシ ユズホ(浦和レッズレディース/23歳/SH、SB)

塩越柚歩
塩越柚歩写真:YUTAKA/アフロスポーツ

昨年10月の国内合宿で初選出され、6月の代表デビュー戦で2ゴール1アシストと結果を残し、激戦区の中盤でのメンバー入りを勝ち取った新星。身長166cmで体が強く、加速力も含めて恵まれたフィジカルの持ち主だ。最終メンバー入りを掴んだ大きなポイントが、左右のサイドハーフとサイドバック、トップ下など複数のポジションをこなせるユーティリティー性。6月のメキシコ戦は2トップや1トップでの“テスト”にも堅実なプレーで応えた。浦和レッズレディースユース出身で技術が高く、幅広いエリアでパスワークの潤滑油になり、ゴール前に向かうダイナミックなプレーも魅力だ。国際経験は少ないが、大柄な男子チームとの試合では、屈強な相手にも食らいついていく強さを見せた。中2日の連戦で総力戦が見込まれる今大会では、確実に出場機会は巡ってくるだろう。「どのポジションでも自分の良さや、気持ちで負けないプレーを出したいと思います」と、気合は十分だ。コンディションは上がっており、2ゴールのデビュー戦のように、「この選手が出たら何か起こりそう、と期待されるような選手になりたいです」と、結果でチームを助ける存在を目指す。

12 遠藤 純 エンドウ ジュン(日テレ・東京ヴェルディベレーザ/21歳/SH)

遠藤純
遠藤純写真:なかしまだいすけ/アフロ

最年少でメンバー入りした2019年W杯から、着実な成長を見せてきたサイドアタッカー。海外勢にも劣らない加速力、精密さと破壊力を兼ね備えた左足のキックを武器に、スケールの大きなプレーで日本のサイドを活性化する。10代から高いポテンシャルを認められ、常に飛び級で年代別代表に入ってきた逸材で、ピッチに立てばミスを怖がらずにチャレンジする強心臓ぶりが印象的だ。ここ数年は左サイドバックや右サイドハーフなど、本職ではないポジションにもトライ。何事も目標を高く持って常に自分に対して厳しく、相手に応じたポジショニングや駆け引きのスキルなど、随所に進化の跡が見られる。カウンター攻撃からのアーリークロスや、相手GKとDFの間を通す鋭いパスなどで決定機を演出するが、自身も常にゴールを狙っている。6月のメキシコ戦では、途中出場で念願の代表初ゴール。「ずっと点が欲しかった」と、力強いガッツポーズを見せ、切り札としての存在感を示した。ベレーザではセットプレーのキッカーを務めることがあり、最近は左コーナーから、左足でアウトスイングのボールを直接決めるスーパーゴールも決めた。五輪本番でも、歓喜をもたらす一発を決めてほしい。