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順位決定戦の相手は、オランダ。なでしこジャパンは勝利で最終戦を締めくくれるか(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
晴天が続くアルガルベ地方(C)松原渓

ポルトガルで行われているアルガルベカップに出場中のなでしこジャパンは、3月8日(水曜日)、 順位決定戦(5位/6位決定戦)でオランダとのー戦に臨む。

順位決定戦の相手は、オランダ。なでしこジャパンは勝利で最終戦を締めくくれるか(1)

以下、オランダ戦前の監督・選手コメント。

【監督・選手コメント】

高倉麻子監督
高倉麻子監督

高倉麻子監督

ーー最終戦の相手がオランダになりましたが、どのようなイメージで試合に臨みますか?

前が3トップで、男子(のA代表)と同じような形かなと思います。(日本の中で)何人か、(オランダと)対戦したことのある選手がいるので、何となくイメージはあるようです。自分たちでやっていることを積み上げていく上で、タイプが違う国と4試合やれるというのはすごく大きいですね。修正して新たなトライをする中で、いろいろな選手を使えますし、チームとしてすごく大きな経験になっています。勝って締めくくることが目標です。

ーー最後の試合で積み上げたいことは、どのようなことですか?

アメリカ遠征(2016年6月)の時から、ラインコントロールをしながら(選手間の距離を)コンパクトにして前からボールを取りに行くことをチャレンジしています。引いて守ることはいつでもできるので、(今大会では)相手によって状況がゲームごとに違う中で、とにかく前から奪いに行く上でのポジション取りにトライしています。マンツーマンではないので、自分が1つ2つ、3つ、コースを潰しながら、狙いを持ってどこかで(相手のボールを)奪いに行くポジションを探すことが大切で、見るところが一つだけではダメなんですよね。一人ひとりの守備範囲を広げることと、強さを出すことが大事だと感じています。それができてくると、攻撃にも入りやすくなります。試合中、迷子になってしまう選手もいるのですが、もちろん、それぞれに良いものがあって選んで、全員に期待しているので、すぐにここで結論を出そうとは思っていません。迷ってください、という感じですね(笑)

ーーGKの3人についてはどのようにご覧になっていますか?

それぞれにタイプが違って、三者三様ですけれど、今大会では全員にチャンスを与えたいと考えていました(ここまでの3試合で3人のGK全員を起用)。山根は、高さに対しては絶対的なものがありますし、山下は反応とか態度や雰囲気もふてぶてしくて、トータルで良いと思いますし、池田は落ち着いていて、フィードがスムーズで、流れが滞らないですね。池田は、(平尾知佳が体調不良で離脱したために)追加招集で来ましたけれど、日頃の態度や取り組む姿勢が安定していて、それがグラウンドでも出ていると感じます。計算できて、信頼できるキーパーを(新たに)一人、見つけたことは大きな収穫ですね。

ーーここまではチームとして、守備のことに重点を置いているように見えますが、攻撃面はいかがですか?

本当は、攻撃のことばかりやりたいぐらいです。ただ、そこ(守備)は絶対に外せないので、今はルールづくりの部分で強調しています。攻撃面では、ボール奪った瞬間にゴールを狙うとか、裏を狙うことは徹底していきたいですし、1mでも(相手との間合いが)空いていたら前を向くことは徹底しています。あとは、ポジショニングとパススピードを速くすることにも、トライしてくれています。コンビネーションについては、まだこれからですが、選手同士で映像を見て「ここに(パスが)欲しい」とか「こういうボールが良い」と、話をしているので、続けていけば良い崩しの形が出てくると思います。

池田咲紀子
池田咲紀子

GK 池田咲紀子

ーーノルウェー戦に臨むにあたって、どのような気持ちで試合に入りましたか?

素直に(試合に出られることが)嬉しかったです。昨年から代表に招集されて、アメリカ遠征にも行きましたが、なかなか出場機会に恵まれない中で、悔しい思いをしていました。その中でも、大橋(GKコーチ)さんに、自分のウィークポイントを指導していただき、いつ出番が来ても良いように準備はしていたので、試合には落ち着いて入れました。

ーー前半、相手と1対1になり、シュートを止めた場面を振り返ってもらえますか?

(私は)サイズ(体格)がない分、ああいう状況では、冷静に自分の準備に集中するようにしています。良い体勢で反応すれば絶対に止められると大橋(GKコーチ)さんから言われていたので、それを意識して、集中できていました。今まで、ああいうピンチを防ぐことができない時期もあったので、一本、止められたことは大きかったです。無失点で試合を終えるということは、自分の課題です。フィールドをやっていたこともあるので足元のボールは対応できるのですが、無失点で終えることにこだわりたいです。

ーー代表定着に向けた思いを聞かせていただけますか?

自分の弱い部分が出なかったから、ミスが目立たなかったのだと思います。(なでしこジャパンに)定着して、試合経験を重ねていくことで、自分の良いところも悪いところも含めてどこまで通じるかが分かっていくと思います。今までコツコツやって来たことが自分の良さだと思っているので、これからも続けていくだけです。

ーー普段の練習の中で、継続していることは何ですか?

体と、気持ちの準備です。ウォーミングアップから100%でやり続けることが、試合で良いパフォーマンスをするための積み上げになっていくと思います。グラウンドに出たら100%の状態で臨めるような心と体の準備を心がけています。

長谷川唯
長谷川唯

MF 長谷川唯

ーー(後半から出場した)ノルウェー戦を振り返っていかがでしたか?

前日も調子が良くて、いつでも行けるような状態だったので、後半から試合に出たら何か結果を残したいと思っていました。前半、守備がはまっていない部分もあったので、その修正も意識して試合に入りました。ただ、(ボールを)取られるシーンも多くて、個人的には精度の面で納得がいっていないです。相手の前に入ることはできたのですが、海外の選手はドリブルで前に入った後にもう一回(寄せて)くるので、そういう意味では、もう一つ早いタイミングでパスを出さないといけないと感じました。

ーー前の試合で(2得点と)結果を残していたことで、相手のマークの厳しさは感じましたか?

そんなに気になりませんでした。中(ボランチ)に(阪口)夢穂さんがいて、チャンスメイクできるので、中に入らないで外で受けることも意識していました。攻撃の時は大体、夢穂さんに預けて(ボールを)散らしてもらうイメージでプレーしていました。

ーー阪口選手とのコンビネーションを活かすために、どのようなことを意識していますか?

夢穂さんがボールを持った時に、しっかりサポートしてボールをもらいに行く意識をもてれば、夢穂さんの良さをもっと活かせると思いますし、(逆に自分たちの良さを)引き出してもらえるような動きをしていきたいですね。

ーーオランダ戦はどのようなことが楽しみですか?

岩渕さんのチームメートで、バイエルンですごく点を取っている(ミーデマ)選手がいるので。(彼女の)プレーを見るのも楽しみだし、対戦するのも楽しみです。負けないぐらい、良い結果と内容を出せるようにしっかり準備したいです。ただ、相手の試合を見るというよりは、自分の良いプレーを繰り返し見て、その良いイメージを(オランダ戦で)しっかり出せるように心がけていきます。

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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