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U-20ナイジェリア代表に快勝!世界一に向け、最高のスタートを切ったヤングなでしこ(2)

松原渓スポーツジャーナリスト
ハットトリックを決めた上野(C)松原渓

パプアニューギニアで11月13日に開幕したFIFA U-20女子ワールドカップの初戦で、ヤングなでしこは、前回大会準優勝のU-20ナイジェリア代表を相手に、6-0の完封勝ちで上々のスタートを切った。

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【勝利を決定付けた2人のストライカー】

先制点を含む3ゴールを決める活躍でプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたのが籾木結花だ。

「初戦で2点を取れて、精神的にも楽になりました。次の試合も自分が点をとってチームを勝たせるという意識で臨みたいと思います。」(籾木)

流れの中のアシストやセットプレーのキッカーなど、様々な形でフィニッシュに絡むプレーを持ち味としているが、ゴールゲッターとしての覚醒もめざましい。今年はなでしこリーグ(1部)では7ゴールを記録し、得点ランキングで3位に入った。そして、U-20代表メンバーからは唯一、ベストイレブンに選ばれた。

今大会はエースナンバーの背番号10を背負い、心・技・体ともに充実した様子が見て取れる。

「彼女は若い頃からいいものを持っていて、常に代表にも名前がある選手ですけれど、実際に大きな大会で結果として残しているものはなかったと思うので、強い思いで今大会に臨んでいると思います。小さい(153cm)けれども、技術があって賢いという意味では、日本を象徴するような選手だと思います。」(高倉監督)

この試合を見た他のチームは、当然、籾木を日本のキープレイヤーとして認識し、対策を講じてくるだろう。だが、そうなった時こそ、チームとしてはチャンスである。そこで、籾木のアシスト能力の真価が発揮されるからだ。

一方、ワールドカップデビューにしてハットトリックを決めた上野の活躍も鮮烈な印象を与えた。

「足元の(ボール)タッチが独特で、懐も深いですし、シュートがすごく上手い。これまで女子の中ではああいうタイプのストライカーはいなかったんですけれど、急成長してくれたので、『点を取ってほしい』と送り出しました。いい仕事をしてくれたと思います。」(高倉監督)

シャイな性格で、強い気持ちを内に秘め、大きな大会の前は「緊張してしまう」と話す。だが、初戦の大舞台ではその緊張がプレッシャーではなく、良い緊張感につながり、堂々とした雰囲気を放った。ワールドカップ初ゴールを決めた後には、満面の笑顔で仲間の祝福の輪に包まれた。

16日に行われる次の試合では、スペインと対戦する。

中2日で迎えるこの試合は、30℃近い気温が予想される16:00からのキックオフになる。スペインとは、2014年のU-17ワールドカップではグループリーグと決勝で2度、対戦した。決勝では日本が2-0と勝利して世界一になったが、今大会のU-20スペイン代表メンバーには、その当時の10人が名を連ねている。U-20スペイン代表は初戦で、カナダ相手に5-0で快勝しており、事実上、『グループB』の首位を争う直接対決となる。

【監督・選手コメント(U-20ナイジェリア代表戦後)】に続く

スポーツジャーナリスト

女子サッカーの最前線で取材し、国内のなでしこリーグはもちろん、なでしこジャパンが出場するワールドカップやオリンピック、海外遠征などにも精力的に足を運ぶ。自身も小学校からサッカー選手としてプレーした経験を活かして執筆活動を行い、様々な媒体に寄稿している。お仕事のご依頼やお問い合わせはkeichannnel0825@gmail.comまでお願いします。

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