知人男性に刑事処分を受けさせるため、わいせつ事件のでっち上げに及んだとされる男女が千葉県警に立件された。女が自動車販売店で男性から被害を受けたと訴え出た上で、仲間の男らもウソの目撃証言をしたという。

虚偽告訴罪とは?

 彼らの容疑は刑法の虚偽告訴罪だ。5月27日、主犯と目される会社役員の男2人が逮捕され、飲食店従業員の女ら3人も書類送検されている。

 この虚偽告訴罪は、人に刑事処分や懲戒処分を受けさせる目的で虚偽の告訴や告発、被害申告に及んだ場合に成立する。最高刑は懲役10年と重い。

 一方で、裁判が確定する前や懲戒処分が行われる前にウソだったと自白すれば、刑を減軽したり免除できることになっている。

 女が書類送検にとどまっているということは、警察から追及されて誤魔化しきれず、仲間と仕組んだウソだったと自白しているのだろう。警察は動機や経緯などの捜査を進めることになる。

痴漢のでっち上げも

 性犯罪の虚偽告訴が発覚するのは、ほぼこのパターンだ。2008年に交際中の男女が大阪市営地下鉄御堂筋線で起こした痴漢でっち上げ事件もその一つだ。

 女が電車内で居合わせた会社員の男性から痴漢の被害を受けたと嘘泣きし、男が正義感の強い若者を装った上で目撃したと男性に詰め寄り、現行犯逮捕し、警察に引き渡したという事案だ。示談金が目あてだった。

 そもそも男性が女に触れた事実など一切なく、男性も取調べで身に覚えがないと主張した。しかし、警察官は「赤の他人が見ていた」と自白を強要するばかりだった。男女の供述に食い違いがあったことなどから、翌夕方、ようやく男性は釈放された。

 警察による再三の取調べ要請もあり、事件から6日後に女がウソでしたと自首した結果、男は虚偽告訴罪で逮捕、女は書類送検された。

 出会い系サイトを使って誘い出した別の男性に対する強盗未遂などの余罪も明らかとなり、男は懲役5年6ヵ月の実刑、女は執行猶予の付いた懲役3年の有罪判決を受けている。

小さな嘘が大事件に

 ほかにも、ほんの小さなウソから引くに引けなくなったケースもある。2000年に福島で起きた主婦による強制わいせつでっち上げ事件だ。

 女は、結婚間もない夫の関心を引き、自分への気持ちを確かめるため、軽い気持ちから夫に対して強制わいせつの被害を受けたとウソをついた。

 これを真に受けた夫が警察に届け出ると言い出したため、女はウソだと告白できなくなり、たまたま仕事の関係で夫を訪ねてきた男性を犯人に仕立て上げ、警察に告訴した。

 男性は強制わいせつ罪で逮捕、勾留され、嫌疑不十分で釈放されるまでの19日間、身柄を拘束された。

 女は男性が釈放後に損害賠償を求めて起こした民事裁判でも虚偽告訴の事実を認めず、ウソを塗り重ねたが、裁判所から供述に信用性がないと指摘され、敗訴した。

 ここでようやく警察が捜査を始め、ウソだったと自白した女を書類送検するに至った。虚偽告訴罪で起訴された女は、懲役1年の実刑判決を受けている。

 もちろん、こうした事件は性被害を訴える告訴の中でも極めてレアで珍しいケースだ。それでも、厳罰に処すべき卑劣な性犯罪だということで前のめりになりすぎず、証拠や事実を冷静に見る姿勢が重要だということだろう。(了)