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ノート(168) 刑務所における優遇措置や食生活、差し入れ、私物の管理について

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:アフロ)

~教育編(6)

受刑52/384日目

優遇措置について

 処遇部の第3統括矯正処遇官からは、受刑者に対する優遇措置に関し、次のような話があった。

・優遇措置は、まじめに受刑生活を送っている受刑者に対してよりよい待遇を与えることで、改善更生の意欲をより強くさせようというもの。

・最下級の5類から最上級の1類まで分かれた「優遇区分」ごとに、具体的な優遇措置の内容が決まっている。優遇区分は半年に1回の審査で決まり、4月と10月の始めに見直しが行われる。必ず上がるわけではなく、同じ優遇区分がしばらく続く。

・1種~4種に分かれた「制限区分」の緩和制度は仮釈放の許可とリンクしているが、優遇区分の上昇と仮釈放は関係がない。

・何も問題を起こさなければ、実刑確定から6か月経過した翌月に3類に指定される。「制限区分」の指定と合わせ、例えば「3種3類」などと呼ばれる。

・一昔前は刑務所ごとに基準や優遇の内容がバラバラで問題になっていたが、現在では全国で画一的となっており、成績も事務的、機械的につけているので、以前に比べると受刑者の不満は減っている。

・名札である丸バッジの外枠は、「優遇区分」の5類だと白色、4類だと黄色、3類だと緑色、2類だと赤色、1類だと青色に変わる。名札の台紙も、「制限区分」の4種だと象牙色、3種だと黄色、2種が緑色、1種が緋色に変わるので、胸に付けているバッジを見れば、ひと目でその受刑者のランクが分かるようになっている。

優遇区分について

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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