6月15日放送の『水曜日のダウンタウン』(TBS)では「しんどい先輩芸人からYouTubeでコラボしたいと言われたときの断り方ムズい説」という企画が行われ、ドッキリの仕掛け人として山田邦子が出演した。

山田は、マテンロウのアントニー、コロコロチキチキペッパーズのナダル、鬼越トマホーク、さらば青春の光の4組に対して、YouTubeのコラボ企画を持ちかける。コラボを最も嫌がっていた芸人には、罰として実際にコラボ動画に出演してもらうということになっていた。

山田はほとんど面識のなさそうな若手芸人たちにも気安く話しかけて、仕掛け人の仕事をしっかりこなしていた。「しんどい先輩芸人」という損な役回りをあえて引き受けてくれた彼女に対して、好感を抱いた視聴者も多かったようだ。

何しろ、一時期の山田邦子は間違いなく日本有数のスター芸人だった。そんな彼女が若手芸人から陰口を言われるようなヨゴレ仕事を堂々と引き受けてみせたところに、芸人としてのプロ意識の高さを感じた。

素人参加型番組で頭角を現す

テレビで女性芸人が数多く活躍している現在でも、彼女ほどの実績を残した人は存在していない。山田は学生時代からバスガイドのものまねネタなどを得意としていて、クラスメイトや友人を笑わせていた。その芸を武器にして、素人参加型のお笑いオーディション番組に片っ端から出演して、賞金を稼いでいた。

その明るくユニークなキャラクターがテレビプロデューサーの目に留まり、TBSのドラマ『野々村病院物語』に出演することになった。その後、『笑っていいとも!』の前身番組である『笑ってる場合ですよ!』でネタを披露して5週勝ち抜きを果たし、芸人としても活動を始めた。

そのわずか半年後、ビートたけしさんや明石家さんまさんが出演した伝説のお笑い番組『オレたちひょうきん族』にレギュラー出演することになり、この番組で彼女の人気は不動のものになった。

8年連続「好感度タレント」1位に

『オレたちひょうきん族』への出演をきっかけにして、山田の人気はさらに加速していった。ピーク時には週14本のレギュラー番組を抱えていた上に、8社のCMに出演。映画やドラマにも出演していたし、CDや小説を出せば軒並みベストセラーになっていた。

NHKの「好きなタレント」調査では8年連続で女性部門1位を獲得。本人の話によると、当時の月収は約1億円だったという。その圧倒的な実績から「唯一天下を取った女芸人」とも言われている。

看板番組『やまだかつてないテレビ』の魅力

1989年から1992年にフジテレビのゴールデンタイムに放送されていた冠番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』は、トーク、コント、ものまね、音楽など、さまざまな企画を繰り広げる総合的なバラエティ番組だった。当時流行していた男芸人が中心の泥臭いコント番組とは違って、山田らしいおしゃれな笑いに満ちていた。

彼女の脇を固めた共演者は今見ても信じられないほど豪華な顔ぶれだ。明石家さんま、所ジョージ、関根勤、三上博史、今井美樹、織田裕二、柳葉敏郎、真木蔵人、高岡早紀、永井真理子、大江千里、西田ひかる、江口洋介……。芸人、俳優、歌手などさまざまな分野の才能豊かなメンバーが集結していた。

番組のテーマソングであるKANの「愛は勝つ」、大事MANブラザーズバンドの「それが大事」はいずれもミリオンセラーを記録しました。また、山田自身も、オーディションで選ばれた横山知枝と一緒に当時人気だった女性アイドルデュオ・Winkのパロディユニット「やまだかつてないWink」を結成して、「さよならだけどさよならじゃない」などのヒット曲を世に送り出した。番組の関連楽曲を収録したスイカ柄のCDアルバム「やまだかつてないCD」も大ヒットした。

そんな山田は現在、YouTubeでも精力的に活動を展開していて、ハイペースで動画を更新している。かつて一時代を築いた「お笑い女王」は、今なお現役のプレーヤーなのだ。