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渋谷ストリームで「日本最大級のサステナブルのお祭り」 MeguriwaやORGABITSが共同企画

松下久美ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表
SHIBUYA SLOW STREAMでサステナブルなお祭りを開催 公式資料より

渋谷ストリームが、商業施設の広場や、渋谷川沿いの遊歩道「渋谷リバーストリート」を舞台に、マーケットやワークショップなどを行うイベント「SHIBUYA SLOW STREAM」の7回目が3月19、20日に開催中だ。今回はファッションとアートを発信する「渋谷ファッションウイーク」が参画する「東京クリエイティブサロン」の一環として特別開催されるもの。「いつもの暮らしから考える地球環境」がテーマで、「サステナブルサロン」をコンセプトに、活動家や団体、ファッションブランド、アーティストらのセッション、フリーマーケット、ワークショップなど、サステナブルコンテンツが満載だ。

目玉企画は、「日本最大級のサステナブルのお祭り」と銘打ち、渋谷ストリームのホール(4~6階)でサステナブルコンテンツを展開する「MEGURIWA SQUARE (めぐりわひろば)」だ。

編集者の山﨑真理子氏が創設し、美容系ディレクターの田上陽子氏やスタイリストの長澤実香氏らも参加するQUANTA、繊維商社の豊島が手がけるORGABITS (オーガビッツ)、日本発のサステイナブルを発信する展示会を運営するMeguriwa (めぐりわ/SelfCreative合同会社)が共同で企画。

Meguriwa のプロジェクトディレクターを務めるKIRA(Ryo Yoshihashi)氏は今回の企画に込めた想いをこう語る。

Meguriwaは日本発のサステイナブルを発信する展示会です。循環型共生経済の研究と社会実装を目的とする「一般社団法人 日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会(略称JCBE)」と、有志が集まる実行委員会形式で運営しています。

豊島株式会社が運営する「ORGABITS」、風の時代のライフスタイルを追求するコンセプトメディア「QUANTA」の協力を得て、渋谷ストリームホールの4~6階を使い、さまざまなサステナブルコンテンツを発信する「めぐりわひろば」をオープンします。

もともとは「ファッションウィークの期間中にサステナブルを発信する場をつくりたいなぁ」と動いていたところ、いろいろなタイミングが重なり、「SHIBUYA SLOW STREAM vol.7.」チームからお声をかけていただき、実現できることになりました。

近年、サステナブル、サーキュラーの文字を使った「サステナブルの啓蒙イベント」について、BtoB向けのイベントや、「正しさ」を追求して、一般消費者とはどこか遠いところで開催されている印象をずっとうけていました。まずは、楽しく触れて、一緒に考えられる、誰もが参加しやすい、そんなイベントをつくりたいとずっと思っていました。

サステナビリティ、サーキュラーエコノミーの実現は、ひとつの業種やマーケットで完結できるものではなく、さまざまな知見を組み合わせ可能性を探る必要があると思っています。

また個人的に、ただ素材を変えればサステナブルなのか?サーキュラーな生産システムでつくればサーキュラーなのか?という疑問があり、自然から遠い都市の空気感だけで作られる「サスナビリティ」ではなく、都市と自然の距離を近くに感じることができる「学びや体験」に出会える場所が都市にあってもいいよね?そんな風な考えをもっていました。

ファッションウィーク期間中ではありますが、ファッションのみならず、かつてファッション業界にいた人たち、地方自治体、林業や農業、さまざまな分野、立場でのマインドや、取り組み、それらをささえるクリエティビティ(創造性)に触れていただきたい。

そんな場所をみんなでつくりました。それぞれの考え方、表現方法てーんでバラバラです。都市の感性と自然の感性が混ざり合ったこのポジティブなカオスから、自分なりの一歩目や、自分に合ったサステナビリティ、サーキュラーエコノミーを見つけていただけると幸いです。

答えはありません。

「MEGURIWA SQUARE」では、数々のトークセッションやワークショップなどに加えて、笹塚ボウルがプロデュースするキッズフリーマーケットなども実施。綿に比べて環境負荷が少ないためサステイナブルな資源として注目されている「麻」「大麻」にもフォーカス。展示や関連アイテムの販売、社会学者の宮台真司氏らが登壇するトークセッションも開催する。

渋谷川沿いではマーケットを展開する。  写真は過去の開催時のもの(公式資料より)
渋谷川沿いではマーケットを展開する。  写真は過去の開催時のもの(公式資料より)

この他、「SHIBUYA SLOW STREAM」では、屋外の渋谷川沿いのマーケットに、「THE CHARLIE TOKYO」(古着)や、「Aloye」(ユニセックスのアパレルブランド)、「NAOT」(イスラエル発のシューズブランド)、「Sora Japanity」(日本茶ブランド)、「山陽製紙」(再生紙による雑貨ブランド)などに加え、「PARADISE BOOKS」(移動図書館)や「ストアルームいい」(射的とシルクスクリーンの体験ブース)などが出展する。

渋谷産クラフトビールの「渋谷ビールプロジェクト」の紹介や、渋谷川沿いのゴミ拾いも実施。さらには、エコな乗り物である自転車×サステナブルファッションのイベントとして、ツイードを着て自転車で都内をサイクリングするツイードラン(Sustainable ride Include Tweed Run TOKYO)を20日に行う予定だ。

イベント概要

SHIBUYA SLOW STREAM

3/19日(土)広場:13:00〜19:00 ホール:11:00〜19:00

3/20日(日)広場:13:00〜18:00 ホール:11:00〜18:00

主催:渋谷ファッションウイーク

共催:渋谷ストリーム

協力:熊井晃史

企画・運営:Camp Inc.、一般社団法人日本サーキュラーバイオエコノミー推進協会

クリエイティブディレクション:野田久美子

イラストレーション:STOMACHACHE.

ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表

「日本繊維新聞」の小売り・流通記者、「WWDジャパン」の編集記者、デスク、シニアエディターとして、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのグローバルSPA企業や、アダストリア、ストライプインターナショナル、バロックジャパンリミテッド、マッシュホールディングスなどの国内有力企業、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」を筆頭としたセレクトショップの他、百貨店やファッションビルも担当。TGCの愛称で知られる「東京ガールズコレクション」の特別番組では解説を担当。2017年に独立。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)。

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