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ユニクロとメルカリが転売対策で提携 人気コラボの混乱回避へ 明日「+J」春夏コレクション発売前に発表

松下久美ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表
昨秋復活し大人気だった「+J」は3月19日に春夏商品を発売する 公式写真より

 「ユニクロ」「GU」(ジーユー)を手がけるファーストリテイリング(FR)と、フリマアプリ「メルカリ」が、FRグループの商品が「メルカリ」上で安心・安全に取引できる環境の構築を目指し、共同で様々な取り組みを実施する「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を3月17日に締結したと発表した。

 「メルカリ」では、「ユニクロ」が3年連続で、出品・購入ともに最も多く取引をされているブランドに選ばれており、「GU」「プラステ」「セオリー」「ヘルムートラング」「Jブランド」「コントワー・デ・コトニエ」など、FRグループの様々な商品が流通している。

 さらに、「メルカリ」では、昨年リバイバルした「+J」(プラスジェイ)や、「UT」で人気を博した「KAWS」(カウズ)など、大人気を博したコラボ商品が高値で大量に転売されたりもしており、発売時の混乱や過熱ぶりなどが話題になったりもしていた。明日3月19日に、「+J」の2021年春夏コレクションを発売するタイミングでの発表となった。

 今回の協定で、「いつでも、どこでも、誰でも、ほしい商品が手に入れられる」環境の実現を掲げるファーストリテイリングと、メルカリが、緊密に連携することで、商品情報や発売情報を事前に共有し、特定の新商品の発売前後に、お客様に対する注意喚起や権利侵害品対策を実施するなど、両社のお客様の混乱を回避し、より安全・安心に取引ができる環境の構築を目指すという。

【主な取り組みは以下の通り】

ファーストリテイリング

● メルカリに対する、特定の新商品の発売情報や商品情報、商品画像などの提供

● Webサイト等での注意喚起の実施

● 店舗で混乱が起きると予想される場合、入場制限を行うなど、必要な措置の実施

メルカリ

● ファーストリテイリングからの情報提供に基づいた、「メルカリ」アプリ上や公式ブログでの特定の新商品に関する注意喚起

● ファーストリテイリングと協議の上、合意した特定の商品について、「メルカリ」の利用規約に違反する出品への削除対応の実施

ファッションビジネス・ジャーナリスト、クミコム代表

「日本繊維新聞」の小売り・流通記者、「WWDジャパン」の編集記者、デスク、シニアエディターとして、20年以上にわたり、ファッション企業の経営や戦略などを取材・執筆。「ザラ」「H&M」「ユニクロ」などのグローバルSPA企業や、アダストリア、ストライプインターナショナル、バロックジャパンリミテッド、マッシュホールディングスなどの国内有力企業、「ユナイテッドアローズ」「ビームス」を筆頭としたセレクトショップの他、百貨店やファッションビルも担当。TGCの愛称で知られる「東京ガールズコレクション」の特別番組では解説を担当。2017年に独立。著書に「ユニクロ進化論」(ビジネス社)。

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