米国で金融不安が再燃
24日に決算を発表したファースト・リパブリック・バンクで昨年末から今年3月末までで4割超の預金が流出したことが判明した。
ファースト・リパブリックによると、預金流出のペースはこの数週間で鈍化しているとしていたが、予想以上の預金流出を受けて、25日の米国株式市場では同行の株価は50%あまり下落した。
あらためて金融不安も意識され、リスク回避の動きとなり、この日のダウ平均は反落し344ドル安、米10年債利回りは3.40%と前日の3.49%から低下、WTI先物6月限は1.69ドル安の77.07ドルとなっていた。
米銀ファースト・リパブリック・バンクは同行の資産と負債のミスマッチ改善を図るためとして、500億-1000億ドル(約6兆7000億-13兆4000億円)相当の資産売却を模索していると26日にブルームバーグが報じていた。
3月にシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が相次いで破綻し、金融不安が強まった。欧州では3月にクレディ・スイスへの不安が強まり、その結果、UBSがクレディ・スイスを買収した。
その後はやや落ち着きを取り戻していたかにみえたが、金融不安は燻り続けていた。
FRBの利上げはまだ継続するとみられ、それによる景気への影響も懸念されているが、それよりも前にこういった金融不安を沈静化できるのか。これは一時的なものであるのか。それとも始まりにすぎないのか。
いまのところ金融不安がさらに拡がるような兆候は見えていない。しかし、これらがきっかけであった可能性も否定はできない。サブプライム問題からリーマン・ショックに至る過程なども、念の為、確認しておく必要もあるのかもしれない。