10~12月期GDPは2四半期ぶりにプラスに
内閣府が14日発表した2022年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.2%増、年率換算で0.6%増となった。プラス成長は2四半期ぶりとなる。ただし、市場予想となっていた2%増近辺は下回った。
前期比で外需がプラス0.3ポイント、内需がマイナス0.2ポイントの寄与。
内需の柱でGDPの過半を占める個人消費はサービス中心に0.5%の増加となった。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けていた人流が回復し、全国旅行支援など政府の対策も消費を後押しした格好に。昨年10月の水際対策緩和に伴うインバウンド消費の増加でサービス輸出が回復した。それに対して、値上げが相次いだことで家計の節約志向が高まり、食料品や飲料の消費は減少した。
内需のもう一つの柱となる設備投資は0.5%減と、3四半期ぶりにマイナスに転じた。デジタル化を進めるためのソフトウェア投資は堅調となっていたが、半導体製造装置や一般機械などが減った。
輸出は1.4%増えた。計算上、輸出に分類するインバウンド(訪日外国人)消費が10月の入国規制の緩和に伴って伸びた。輸入は前期に海外への広告関連の支払いが大幅に増えた反動もあり、0.4%減った(14日付日本経済新聞)。
物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比1.1%の上昇となり、こちらは3四半期ぶりにプラスに転じた。
すでに発表されている米国やユーロ圏、そして中国の去年10月~12月期GDP伸び率はいずれもプラスとなり、日本もこれらの影響も受けてのプラス転換となった格好。
しかし、今後は利上げを続けている欧米などでの景気減速懸念もあり、国内の景気も今後は下振れする可能性もある。